黄金世代に“待った” 岩井千怜が「67」の猛チャージで7打差追いつき首位

岩井千怜が連覇に向けて大きく前進した(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 2日目◇7日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

21位から出た全米帰りの岩井千怜が、この日ベストタイの「67」をマークし、トータル7アンダーで首位に並んだ。初日首位の小祝さくらが「74」ともたつくなど上位勢が伸び悩み、岩井と同組で初日3位の竹田麗央が背中痛でスタート前に棄権する中、7バーディ・2ボギーと一気に伸ばして、スルスルとリーダーボードの一番上に上がってきた。

「初日からショットは好調で、きょうも一日良かった。特にセカンドからのアイアンはイメージ通りに打てた」

ティショットでフェアウェイを外したのは3回だけ。パーオン率は61%ながら、グリーンを外した4番パー5ではチップインバーディを奪うなど小技もさえた。圧巻だったのは終盤の2ホール。521ヤードの17番パー5は2オンに成功し、ピン奥4メートルからのイーグル逃しのバーディで、18番パー4は残り124ヤードの2打目をピンそば5メートルに乗せてバーディで締めた。晴天続きで硬さを増したグリーンに対し、「ショットは手前から転がしていくイメージ」というマネジメントも奏功した。

4度目の海外メジャー挑戦となった前週の「全米女子オープン」は昨年の48位を上回る19位で終えた。長距離移動の帰国初戦にも「体は思った以上に動くし、しんどさは全然ない。夜も眠れている」と時差ボケとも無縁だ。

4日間大会を初めて制し、ツアー通算4勝目を挙げた昨年は大会記録となるトータル23アンダーの圧勝劇だった。さらに初日からの首位を守る自身初の完全V。コースとの相性は抜群で、5月の「RKB✕三井松島レディス」に続く2度目の大会連覇に向けて視界は良好だが、「連覇の意識はない。考えているのはコースにどう対処していくか。やるべきことはそれだけ。結果を考えていたら、今に集中できない」と浮つくことなく話した。

第3ラウンドは小祝さくら、吉本ひかるの1998年度生まれの黄金世代2人と最終組を回る。1組前にも大里桃子、高橋彩華の黄金世代が控える優勝争い。4学年上の先輩プロたちを撃破すれば、年少6番目となる21歳340日での通算7勝目が待っている。(文・臼杵孝志)

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