「百円の恋」を中国リメイク 武正晴監督らが監修として参加 「YOLO 百元の恋」公開決定

2014年に公開され、主演の安藤サクラが日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞した「百円の恋」を、中国で国民的人気のコメディアン兼女優のジャー・リンが主演・監督を務めてリメイクした映画「YOLO 百元の恋」が、2024年7月5日より劇場公開されることが決まった。

「YOLO 百元の恋」は、無職で実家に引きこもる32歳の筋金入りのなまけ者ドゥ・ローイン(ジャー・リン)を描いた作品。ある日、出戻りの妹と大ゲンカをし、とうとう家を出る羽目になったローイン。偶然出会ったボクサーのハオ・クン(ライ・チァイン)に一目ぼれし、ボクシングを始めることになったが、試合に負けたクンはジムを辞めて、ローインの前から姿を消してしまう。何もかも失ったローインは、「一度は勝ってみたい」とボクシング大会への出場を決意する。

監督・主演を務めるジャー・リンは、中国漫才や舞台喜劇などで活躍。中国のSNS「Weibo」のフォロワーは1770万人超えを誇り、本作の公開で中国映画史上興行収入100億元(2000億円以上)を超えた4人目の女優となり、中国を代表するコメディアンの一人と言われている。2021年公開の映画「你好,李煥英」(原題)で監督デビューし、脚本・主演を務めた最初の作品で中国国内歴代2位の興行収入を記録。全世界興行収入は約900億円の大ヒットとなり、日本でも邦題「こんにちは、私のお母さん」として、2022年に公開された。

そんなジャー・リンが、「百円の恋」で主演を演じた安藤サクラに感銘を受けたことをきっかけに、中国の映画会社が東映グループにリメイクのオファー。「百円の恋」の脚本・足立紳、監督・武正晴、プロデューサー・佐藤現が監修として開発段階から参加した。ジャー・リンは、本作の撮影のために1年以上メディアから姿を消し、撮影前にまず体重を20キロ増やし、本編の撮影と並行して過酷なトレーニングを続け、約9カ月をかけて50キロ以上の減量を成功させるなど、並々ならぬ役者魂で撮影に挑んだ。

「百円の恋」の脚本・足立紳と監督・武正晴のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■「百円の恋」 脚本:足立紳
「百円の恋」の公開から10年、まさかこんな形で新たに生まれ変わった作品が日本で公開されるとは夢にも思いませんでした。
10年前の公開時もワクワクした気持ちでいっぱいでしたが、今はそれとは別のワクワク感でいっぱいです。
「YOLO 百元の恋」の放つ強烈なパンチをどうぞ劇場に浴びにきてください!

■「百円の恋」 監督:武正晴
2011年、足立紳さんがシナリオを書いて来てくれた。喫茶店で読後、「足立やったな」と震えた。
2012年、周南絆映画祭の大橋広宣さんが読んでくれた。黒澤満さん、丸山昇一さん、松田美由紀さんが松田優作賞に選んでくれた。
2014年、安藤サクラさんがシナリオを読んで、オーディションに来てくれた。
10年後、中国のジャー・リンさんが、主演、監督でリメイクしてくれた。
監督、スタッフの「百円の恋」への愛とリスペクトに包まれた「YOLO 百元の恋」に胸が熱くなった。映画を信じてきて良かった。ジャー・リンさんの情熱をどうか客席で浴びまくって欲しい。

【作品情報】
YOLO 百元の恋
2024年7月5日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:東映ビデオ
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