22度目の夏へ 国見2連覇 誓った雪辱、1点守りきる

【サッカー男子決勝、国見―長崎総合科学大付】前半追加タイム、国見のDF上野(右)がスライディングで長総大付のFW坂本(左)のシュートを阻む=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 前半早々に決めた1点を堅く守りきる。快勝とは言えない。ただ、その強さを、十分に示した内容だった。サッカー男子決勝は、国見が長崎総合科学大付を1-0で下して2連覇を達成。木藤監督は「昨冬の悔しさを力に変え、メンタル面もたくましくなった」と目を細めた。
 昨秋の全国選手権県大会決勝と同カード。その時、1-3の完敗を経験した選手が多く残る国見は「同じ相手に負けない」と雪辱を誓って、この日のピッチに立った。
 前半9分、準決勝まで4試合無失点で勝ち上がってきた長総大付のゴールを、エース西山がいきなり破る。その後は押し込まれる時間もあったが、相手のキーマンを封じ、堅く守った。
 木藤監督が「攻守で今大会一番の成長を見せた」とたたえるMF切封が、長総大付の起点となるMF宇土についてパスの供給源を消した。DF上野、川原らは、今大会7得点を挙げてきた相手のエース坂本に最後の仕事をさせなかった。3回戦と準々決勝は失点したが、勝負どころの準決勝、決勝は続けて零封した。
 昨夏のインターハイは堅守を武器に無失点で3位入賞。名門復活を印象づけた。22度目の夏は国見の名前を、さらに鮮明に刻み込む。昨年からゴールマウスを守る主将のGK松本は「目の前の一戦一戦を勝ち抜いて、昨年の上をいく」と気合が入る。「今年は全国でどんなプレーを見せてくれるか楽しみですね」。指揮官は、自信ありげに笑った。

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