吠えグセのしつけは難しい⁉ ほかの犬への吠えやおねだり吠えの対処法

何をやってもしつけがうまくいかない、困りごとが解決しないなど、愛犬のしつけに「壁」を感じたことはありませんか?今回は飼い主さんたちが「壁」を感じたしつけについて調査。また、ほかの犬への吠えや、おねだり吠えの対処法を獣医師の藤本聖香先生が解説します。

飼い主さんたちが「壁」を感じるしつけ1位は「吠えグセ」

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

これまでと同じ方法ではうまくいかない、アドバイスどおりにやってもうまくいかないなど、挫折状態になり、乗り越えにくい「壁」を感じてしまうこともあるしつけ。これは愛犬の成長に伴って、突如出てくる場合もあります。
まず飼い主さんたちが「壁」を感じたしつけのランキングを見てみましょう。

1位 吠えグセ
2位 ほかの犬になれない
3位 興奮グセ
4位 トイレのしつけ
5位 ほかの人になれない、食フン
6位 引っ張りグセ
7位 飛びつきグセ
8位 拾い食いグセ
9位 あま噛みグセ

「壁」を感じているしつけの第1位は「吠えグセ」という結果に。子犬期に解決できなかった困りごとが、成犬期ではより強固になったり、解決したはずの困りごとが再発したりするケースも多いようです。

※「いぬのきもち作り隊」の読者へのアンケート(初心者・ベテラン飼い主さん計153人、2023年9月実施)を集計した結果です。

ほかの犬に吠えるときの対処法は?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

そもそも苦手なものに慣れるのは時間がかかるもので、無理に短期間で慣れさせようとすると逆効果になる場合もあります。また、「吠えたらおやつを与える」という方法は吠えの強化につながりますし、慣れさせようとドッグランなどに無理に連れていくとトラウマを与えてしまうことも。

避ける練習と慣れる練習を同時にやろう

たとえば50m先など、ほかの犬を見ても吠えずにガマンできる距離で「犬がいても静かにできてえらい!」とほめてからおやつを与えましょう。繰り返すと、このほめ言葉がコマンド代わりになり、吠える回数が減っていきます。愛犬がガマンできずに吠えそうなときは、その場からさっと離れて。

苦手な犬のタイプを把握しよう

黒い犬が苦手など、愛犬はどんな犬を怖がるのか傾向を把握しておくといいでしょう。例えば黒い犬は50m、ほかの犬なら10mなど、限界ラインの判断もしやすくなります。避けるときは脇道に入ってかわすか、飼い主さんが壁になって守りましょう。

犬か人どちらかが大丈夫ならOKと考え方を切り替えるのもアリ

日常生活を送るなかで、人と犬は接する機会が多いため、愛犬を両方に慣れさせるのが望ましいものですが、両方克服するにはかなり時間がかかることもあります。人か犬、どちらか克服すればOKと割り切るのも、ひとつの手かもしれません。

おねだり吠えの対処法は?

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

愛犬もどうしたらおねだりがかなうか必死に考えています。対策としては、徹底的に無視し、「吠えても無駄」と伝えるしかありません。マンションであっても同様で、心苦しいところはありますが、「一生ガマンするか、数週間ガマンするか」と割り切って対応しましょう。

吠えていないときはとにかくベタぼめ!

要求がかなうまで吠えるのは愛犬にとってもストレスでしかありません。愛犬が静かにしているときにほめておやつを与え、静かにしているほうが得だと教えましょう。

とにかく徹底的に無視する

ご近所さんに「しばらくの間ご迷惑をおかけしますが、ご協力お願いします」とあいさつに行くと、必ずやり抜く覚悟も決まります。特に窓を閉め切りがちな冬場はチャンス!

物理的におねだりできない環境をつくるのも有効

飼い主さんがそばにいると、かまってほしくて吠えが増えることも。たとえば在宅勤務中は愛犬と過ごす部屋を分けるなど、物理的に愛犬から距離をとるのも手です。

藤本先生によると、しつけにおいて感じる「壁」の多くは、飼い主さんが完璧を求めすぎて、自らつくり出しているものだといいます。乗り越えるためには、人目線でなく、愛犬の目線に立って考えることが重要。考え方を変えれば、「壁」を乗り越えるためのヒントが見つかるはずですよ!

お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2024年2月号『あきらめていた困りごと、見方を変えたら解決法があった! しつけの「壁」の乗り越え方』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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