熱中症は早めの対処が肝心! 猫の熱中症について獣医師が解説

もともと半砂漠地帯に生息していた猫は、乾燥した暑さには強くても高温多湿は苦手。急激な湿度や温度の上昇や寒暖差で、熱中症になってしまうことがあるので注意が必要です。今回は、猫の熱中症について、獣医師の小林清佳先生にお話を伺いました。

熱中症とはどんな病気?

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熱中症とは、高い気温と湿度の環境で体温が上昇し、体温調節機能が正常に働かなくなって、急激に体調が悪化する状態です。体温が上昇すると呼吸が荒くなり、重症化することで意識を失ったり、けいれんを起こしたりして、最終的には臓器に障害が生じて命に関わることも。

猫が熱中症になるとどんな症状があらわれる?

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以下のような症状があらわれたら、すぐに動物病院に連絡をしてください。その際、その場で猫の体を冷やす方法を指示されることもあるでしょう。獣医師の指示を仰ぎながら、受診するようにしてください。

熱中症の主な症状

  • 苦しそうに呼吸をしている
  • ぐったりしている
  • 体が熱い
  • フラフラしている
  • 大量のよだれが出る
  • おう吐を繰り返す
  • けいれんしている など

熱バテにも注意が必要

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熱中症のほかにも、猫は人と同様、夏バテを起こすことがあります。夏バテとは、夏の暑さが原因で引き起こされるさまざまな体調不良の総称です。夏バテの場合、急激な体調の変化ではなく、数日~数週間かけて徐々に症状があらわれます。

夏バテの主な症状

  • 食欲不振の日が続く
  • 消化不良
  • 飲水量が減る
  • おう吐や下痢
  • 元気がない
  • オシッコの量が少なくなる など

なお、これらの症状は、ほかの病気の症状と区別がつきにくいので、動物病院で診察を受けることが大切です。

ご紹介したように、熱中症や夏バテは高温多湿が主な原因ですので、エアコンやペット用のクールグッズなどを活用して、猫にとって快適な環境を整えてあげることが大切です。ぜひ参考にしてみてくださいね。

お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2022年7月号『夏バテ・熱中症を防ぐためのおうちづくり』
文/長谷部サチ
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