最大斜度38度! 「空中散歩」無料で楽しめるミニモノレール 兵庫県宍粟市「国見の森公園」

山の斜面を登っていくミニモノレール=兵庫県宍粟市山崎町、県立国見の森公園

 新緑もえる山の急斜面を真っ白なミニモノレールがゆっくりと登っていく。小さくなる眼下の集落。最大斜度38度のレールを進むと、見渡す限りの山地と青空が窓ガラスに広がる。まるで空中散歩の気分だ。

 市域の約9割を森林が占める宍粟市。南部に位置する国見山(465メートル)に兵庫県立国見の森公園がある。自然や里山に親しむ学習拠点として2006年に開園した。園の面積は甲子園球場100個分に迫る約372へのヘクタールと広大。森は奥深く、スギやヒノキの「人工林」に加え、クヌギ、コナラなどの「天然林」も多く四季の彩りを堪能できる。

 醍醐味の一つが「森林学習軌道」と呼ばれるミニモノレール。38度の斜度は電動式では国内最大級を誇り、天空へいざなうような乗り物だ。「ええ眺め。ちょっと怖いけど」。車内ではそんな利用者の喜びと本音が入り交じるような声を何度か聞いた。山上駅までの標高差約300メートルを1日8本が往復し運賃は無料だ。

 山上駅から緩やかな坂を登っていく。展望台に立つと、目に飛び込んできたのは、山々に抱かれた宍粟のまち。麓からわずか40分ほどでたどり着ける壮大な眺めに、この地域が「森林王国」と呼ばれるゆえんを体感した。

 月曜休園。ミニモノレールは事前予約制。同園☎0790.64.0923 (風斗雅博)

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