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日本を代表するRPG作品として多くのファンを魅了し続けている『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズ。多くのファンに愛される本作だが、ストーリーによっては激戦の果てにメインキャラクターたちが死亡してしまう展開もある。
そこで今回は、唐突な“死”によってプレイヤーを驚かせたFFキャラたちについて振り返っていこう。
■その身を挺して仲間を護る、優しき双子…『FF4』パロム&ポロム
新たなハードが登場するたびに確実な進化を遂げてきた『FF』シリーズだが、1991年に発売された『FF4』はシリーズとしてはもちろんのこと、発売元であるスクウェア(現:スクウェア・エニックス)にとって初のスーパーファミコン(SFC)参入作となった。
軍事国家・バロンにて暗黒騎士として活躍する主人公・セシルが多くの仲間たちと出会い旅をしていく本作で、衝撃的な死亡シーンが描かれたのが、双子の魔道士として活躍するパロムとポロムだ。
ふたりは5歳という幼さでありながら、それぞれ“黒魔法”と“白魔法”を使いこなす秀才で、やんちゃな弟・パロムを優等生の姉・ポロムがたしなめるなど、劇中でもでこぼこコンビぶりを見せていた。
身に着けた高度な魔法で幾度となくセシルらの窮地を救ってきた二人だが、バロン城にてゴルベーザ四天王の一人・水のカイナッツォを撃破した直後、その悲劇は訪れてしまう。
王の間を立ち去ろうとするセシルたちに、カイナッツォの最後のあがきによって“罠”が発動。突如として部屋に閉じ込められ、左右から迫る壁によって圧死の危機にさらされる。
絶体絶命の状況のなか、パロムとポロムは互いの顔を見合わせ、なにかを決心しそれぞれの壁へと対峙。二人はセシルに礼を告げ、なんと自身の体を「ブレイク」の魔法で石に変え、壁を支え止めてしまったのだ。
二人の身を挺した行動とその唐突すぎる別れに、当時度肝を抜かれたプレイヤーは多かったのではないだろうか。
実は物語終盤には無事に二人が生存している姿を確認できるのだが、“自己犠牲”のシーンが多い本作において、特に強烈なインパクトを残した“別れ”の一幕といえるだろう。
■散り際に見せつけた執念と覚悟…『FF5』ガラフ
1992年に発売されたSFC用ソフト『FF5』は、そのタイトル通りシリーズの5作目となるナンバリング作品だ。
主人公であるバッツや仲間たちが繰り広げる、崩壊の危機にさらされた世界を救う冒険の旅を追体験していく。
本作は過去シリーズで登場した“ジョブチェンジシステム”をさらに発展させた“アビリティシステム”が特徴で、覚えた“アビリティ”を自由に付け替えてカスタマイズするなど、その根幹は後のシリーズ作品にも受け継がれている。
そんな本作で死亡してしまうキャラクターといえば、プレイヤーが操作する5人のメインキャラの一人である老戦士・ガラフだ。
彼はクリスタルを守るためにバッツらとは異なる世界からやってきたのだが、その際の衝撃で物語序盤は記憶喪失になっており、成り行きでバッツらに同行。記憶を取り戻してからはこの世界に起こっている“真実”をバッツたちに告げ、彼らの先導役として活躍していた。
そんな頼りがいのある存在のガラフだが、物語中盤、宿敵・エクスデスによってパーティが窮地に立たされたことで、思い切った一手に出る。
なんとガラフはたった一人で、圧倒的な力を行使するエクスデスに戦いを挑んでしまう。
エクスデスは“フレア”、“ホーリー”、“メテオ”といった高威力技をこれでもかとガラフに叩き込むのだが、なんとガラフはHPが0になろうとも決して屈することなく、相手が倒れるまで戦い抜いてしまうのである。
結果的にエクスデスを退けることには成功するも、代償としてガラフも命を落とし、その意思やアビリティは孫であるクルルへと受け継がれた。
対峙するエクスデスに耐えきり、たった一人で戦い抜いたガラフの執念や気迫を感じざるをえない、凄まじい死亡イベントだった。
■そのあまりにも儚い散り際に、ファンも絶望…『FF7』エアリス
1997年に発売されたPlayStation用ソフト『FF7』は、シリーズ初の“3Dポリゴン”を導入した一作となっている。
世界観はもちろん、洗練されたバトルシステムや豊富な遊び要素など、シリーズ全体を通しても非常に人気の高い一作で、今もなおリメイク版が展開され続けている。
そんな本作を象徴するキャラクターの一人であり、その“退場”によってプレイヤーたちに大きな衝撃を与えたのが、ヒロインの一人として活躍するエアリスだ。
エアリスはミッドガル伍番街のスラムで“花売り”をしていた女性で、偶然にも主人公・クラウドと出会ったことで仲間となり、ともに戦っていくようになる。
清楚でおとなしく見える一方、ときには明るく大胆な言動を見せるなど、独特の魅力を持った女性で、クラウドはもちろん仲間たちともすぐさま打ち解けていた。
しかし、実は彼女は“古代種”と呼ばれる特殊な存在の末裔であり、劇中の怨敵・セフィロスが発動させようとしている“メテオ”を止められる、唯一の可能性を持った人物でもある。
物語中盤、エアリスは星を護る力・“ホーリー”を発動させるため、「忘らるる都」にて単身祈りを捧げていたのだが、そこにセフィロスの姿を模した敵が襲来。なんとかエアリスのもとに駆けつけたクラウドたちだったが、彼らの目の前でセフィロスの刀がエアリスを背中から貫き、串刺しにしてしまった。
彼女はクラウドらと言葉を交わすことすら許されず、そのまま死亡して湖へと水葬されてしまう。
あまりにあっけなく、そして壮絶な死にざまに当時は彼女の死を受け入れられないプレイヤーも多数存在し、“エアリスを生存させる方法がある”というデマまで飛び交うこととなった。
リメイク版での彼女ははたしてどうなっているのか……ぜひ自身の目で確かめてみてほしい。
冒険のなかで苦楽を共にしてきた仲間の“死”は、やはりプレイヤーたちに大きな衝撃を与える重要なイベントとなっている。たが、ある意味でその“死”は、劇中のキャラクターたちが前へと進む“覚悟”と“勇気”を与えるものとなっているのかもしれない。