有休中に会社から「電話」がかかってきたら出る?出ない?対処法を解説

労働基準法上は労働の義務が免除されている

厚生労働省によると、休日は労働者が労働する義務はありません。また、休暇は、労働の義務がある日を労働者の申請により免除した日です。そのため、休日も休暇も労働の義務は発生しません。

数分で済む仕事の電話であっても、休日や休暇中に対応すれば労働とみなされるため、労働基準法に基づく場合は賃金の支払いが発生します。

有給休暇中に仕事の電話がかかってきたときの対処法

有給休暇中には労働の義務が発生しないため、仕事の電話がかかってきても対応する必要はありません。しかし、職場や取引先からの電話を無視できないケースもあるでしょう。

ここでは、有給休暇中に仕事の電話がかかってきたときの対処法について紹介します。法律上、労働の義務はありませんが、電話を取るかどうかは本人次第です。休暇をリラックスして楽しむためにも、最小限の対応で済ませることが大切です。

電話に出なくても法律上は問題ない

前述した通り、有給休暇中は労働の義務が免除されます。したがって、仕事の電話に出るのは義務ではありません。上司から休みの日も仕事の電話は必ず取るよう強制された場合には、ハラスメントに該当する可能性があります。

例えば部署内で休日中に仕事の電話を取ることが当たり前になっていても、義務ではないため、強制された場合は人事部などに相談しましょう。

有給休暇消化後に連絡・対応する

有給休暇中にかかってきた仕事の電話が、緊急の用事ではないかと気になり、休みをリラックスして過ごせない人もいるでしょう。電話の内容が気になる場合は、用件を簡単に聞いておき、有給休暇消化後に対応する旨を伝えるのもひとつの方法です。

出社後に対応する場合は、トラブルが大きくならないよう、電話の相手に後日対応する旨をしっかり伝えましょう。

緊急の場合は電話で対応する

仕事でかかってきた電話の中には、緊急対応が必要なものもあるでしょう。社内の立場や担当部署によっては、イレギュラーな対応がよく発生し、連絡がきやすいと分かっている場合もあります。

連絡の内容によっては、急いで対処しなければ大きな損失につながるかもしれません。電話の相手や内容を確認して、どうしてもすぐに対処しなければならない問題であれば、臨機応変に対応しましょう。

仕事用の携帯電話の電源を切る

有給休暇中も着信音が気になり気が休まらない場合は、仕事用の携帯電話を手元に置かないようにするのもひとつの方法です。仕事用の携帯電話の電源を切ったり、外出時に家に置いてきたりすることをおすすめします。

ただし、これまで有給休暇中に電話対応をしていた場合には、よくかけてくる相手に携帯電話を持ち歩かない旨を伝えておくと親切です。留守番電話を設定しておけば、あとから電話の内容を確認できるため、休みの間だけ設定しておくのもよいでしょう。

法律上は有給休暇中に仕事をする義務はない

有給休暇中は労働の義務が発生しないため、仕事の電話がかかってきても取らなければいけないわけではありません。しかし、緊急の用事でやむを得ず対応が必要となるケースもあります。

有給休暇中に仕事をする義務はないということは前提として、社内での立場や在籍している担当部署、電話の相手やそのときの仕事の状況に応じて、臨機応変に対応するようにしましょう。

出典

厚生労働省 鳥取労働局 労働時間・休日・休暇に関するルール

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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