マカオ税関が中国ボーダー付近の工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点2ヶ所摘発…活ロブスター約390キロ押収

最初に摘発を受けた密輸品供給拠点から見つかった活ロブスター(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)は6月7日、同月5日夜にマカオ半島北部・關閘エリア所在の工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点2ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

2つ目の摘発対象となった運び屋向け密輸品供給店(写真:澳門海關)

 税関によれば、運び屋の活動を注視し、近日關閘イミグレーションで発見・押収したロブスター密輸出事案の分析及び追跡調査を通じてマークした運び屋への商品供給拠点とみられる場所に対する内偵調査を進めいたという。5日午後、關閘イミグレーションの出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女2人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、合わせて活ロブスター2袋(約6キログラム)を所持していたことが判明。女2人は税関の調べに対し、事前にマークしていた工業ビル内のテナントで商品をピックアップし、報酬を得る目的で越境運搬を企図したことを認めたため、即座に当該テナントに対する摘発を行ったとのこと。

 摘発時、現場には責任者の女が1人おり、中から活ロブスター約150キログラムが見つかった。また、摘発時に隣接するテナントでも同様のビジネスが行われていることが判明。隣接テナントには責任者の女が1人おり、中から活ロブスター約150キログラムが発見された。2つのテナントで発見された活ロブスターは合計約390キログラム、市価にして約32万パタカ(日本円換算:約624万円)に上った。なお、両テナントに関連性あるいはグループ運営等の形跡はなかったという。

調査のため税関本部へ身柄を移送される運び屋向けの密輸品供給店の責任者2人(写真:澳門海關)

 上述2件に絡む密輸品供給拠点の責任者の女2と運び屋の女の計4人はいずれもマカオ人で、年齢は28〜67歳。税関では店舗の責任者の女2人が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、運び屋の女2人を含む全員を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、食材の原産地証明及び検疫申請書類を提示できなかったことから食品安全行政を管轄する市政署、さらに営業許可証なしで営業していたとして財政局による調査が進められることになるとした。

 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。

 このところマカオでは運び屋が絡む活ロブスターの密輸出事案の摘発が頻発している。

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