ライアン・レイノルズの行動力がカギに? 『デッドプール&ウルヴァリン』映画化への道のり

7月26日に日米同時公開される『デッドプール&ウルヴァリン』の新場面写真が公開された。

公開当時、世界興行収入850億円を超える大ヒットを記録した『デッドプール』。その続編となる『デッドプール2』ではさらに記録を塗り替え、世界興行収入1120億円を突破し、R指定映画の世界歴代記録を更新してきた。第3弾となる本作では、ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンがカムバックを果たし、2大ヒーローが共演する。

不治の病を治療するために受けた人体実験で、自らの容姿と引き換えに不死身の肉体を手に入れた元傭兵のウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)。自分のことを“俺ちゃん”と呼び、戦う理由は超個人的。映画の世界を飛び超えて観客にむかって話しかけるなど、なんでもアリの“破天荒なクソ無責任ヒーロー”デッドプールとして活躍する彼は、2本の日本刀と二丁拳銃を使いこなす過激でアクロバティックな戦闘スタイル。そんな彼が大切なファミリーのために世界の命運をかけたある壮大なミッションに挑むことに。デッドプールが助けを求めたのは、予測不可能なこのミッションのカギを握るウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)。ウルヴァリンといえば、デッドプールが“爪野郎”と呼びこれまで何度もいじり倒してきた人気キャラクターで、“キレるとヤバい、最恐アウトロー”。驚異的な治癒能力と不死身の肉体を持つウルヴァリンは、これまで、獣のような闘争本能と人間としての優しい心の間で葛藤しながらも、世界平和のため、すべてを斬り裂く超金属の爪を武器に戦ってきたが、彼には戦いから遠ざかっていた“ある理由”があった…。今回は、毒舌&テキトーで下ネタ連発なのに、なぜか憎めないデッドプールとタッグを組み、世界の命運を賭け暴れまわることになる。

本作の映画化が叶うまでには、プロデューサーでもあるライアン・レイノルズのアイデアと行動力が詰まっていた。

『アイアンマン』(2008年)以降の全作品で製作を務め、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を舞台にした作品でプロデューサーを務めているケヴィン・ファイギに、直接会いに行ったというレイノルズ。ド派手で超大胆なアイデアとして、デッドプールがスクリーン上でX-MENの人気キャラクターであるウルヴァリンとチームを組むことを提案したと、レイノルズは英Empireに明かしている。しかし、ファイギの返事はまさかの「ノー」。その大きな理由の一つと考えられるのは、ジャックマン演じるウルヴァリンが『LOGAN/ローガン』(2017年)で死を迎えており、エンディングで葬られていたためのよう。その背景には、 『アイアンマン』からMCUを壮大なプロジェクトとして成長させてきた仕掛け人であるファイギの考えがあってのこと。「実を言うと、わたしはデッドプールをどうやって(MCUに)組み込むべきか決めかねていたのです」と告白し、「ミュータントたちやX-MENを(MCUに)組み込む方法について深く考えを巡らせているところでした。安直にヒットを狙うだけではいけませんからね」と、かなり慎重に物語の構築していたことを明かしている。

しかし、ファイギも認めるアイデアマシーンであるレイノルズは、約25個のアイデアや構想を提案。「画板の前に戻って色んな草稿を18本ほど書いた」と明言している。ファイギを納得させようと、様々なアプローチで提案し続けたレイノルズ。今回のドリームプロジェクトは時間をかけて会話が重ねられた上で、熱心な説得がようやく実を結び、実現に至ったようだ。

また、ショーン・レヴィ監督は米Associated Pressに「キャラクターとこの世界の神話と伝承を知り尽くしている熱狂的なファンへ敬意と感謝をもってこの映画を作りました。エンターテインメントのための作品なので事前にリサーチする義務はないです」と他の作品の知識がなくても楽しめる品質を保証している。多くの人の想いによって時間をかけて練られ、制作された本作は、複雑化するMCUにどのような新しい風を持ち込むのか。

公開された場面写真では、車の中で血の付いたナイフを手にするデッドプールと、戦闘体勢のウルヴァリン、それぞれの姿が捉えられている。

(文=リアルサウンド編集部)

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