不動産会社の女性経営者が教える! 梅雨時は特に危険「湿気の影響を受けやすいNG物件の特徴」

不動産会社の女性経営者が教える! 梅雨時は特に危険「湿気の影響を受けやすいNG物件の特徴」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.59

――湿気がたまりがちな物件に住むと、どのようなデメリットが考えられますか?

平出さん 部屋がジメジメとして気持ち悪いのはもちろんですが、最も心配なのは健康面です。湿気により発生してしまったカビをカラダに吸収してしまうと感染症やアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、湿気がたまりやすい部屋は避けるべきだと思います。部屋にカビが発生しやすくなると、部屋のなかにある家具や、収納している洋服やバッグ、靴などがカビてしまうことも。壁や床などの専有設備にカビがついてしまった場合、退去時にカビの除去費用を負担しなければいけなくなってしまう場合もあるため注意が必要です。建物自体の構造の問題で仕方ない場合は入居者の負担はないのですが、結露対策などをせずに放置していた場合は、入居者負担になることもあるので気をつけてください。

――湿気対策がしづらい、カビが生えやすいNG物件について教えてください!

NG1. 「1階の物件」

平出さん 1階は地面に近い分、雨が続くと特に湿気やすく、外からの湿気を取り込みやすいため、カビが発生しやすいです。

NG2. 「日当たりが悪い物件」

平出さん 北向きだったり、隣の物件と密接していて太陽の光が取り込めない物件も湿気がたまりやすいです。

NG3. 「窓が少ない物件」

平出さん 窓が1つしかないなど、風が通りにくい物件は湿気がたまりやすいため、湿気対策が必須になります。角部屋の物件であれば窓が2か所以上あったり、換気口が多く風通しがいい物件が多く湿気を逃しやすいです。

NG4. 「築年数が古い物件」

平出さん 築年数が古い物件は、排水溝の劣化や換気口が不十分な物件も珍しくありません。湿気を感じやすい可能性が高いため、できればやめておいた方がいいです。

NG5. 「コンクリート打ちっ放しの物件」

平出さん デザイナーズマンションなど、壁がコンクリートになっている物件も要注意。一見オシャレに見えますが、実は湿気がこもりやすいので気をつけてください。

――湿気対策がしづらい物件に住んだことで失敗したエピソード、お客様から聞いたトラブルはありますか?

平出さん 私が以前住んでいたマンションは、1階で日当たりも悪く湿気がこもる物件だったため、部屋干しをしても洗濯物がなかなか乾きませんでした。外に干しづらい物件だったので困りましたね…。あまり開け閉めしていないカーテンがカビていて驚いたことも。お客様からは「クローゼットや押し入れに収納していた洋服やバッグがカビてしまった」「高額のソファがカビてしまった」という話を聞いたことがあります。

――おすすめの湿気、カビ対策について教えてください!

1. 「天気がいい日は窓を開けて風通しをよくする」

平出さん 日当たりが悪かったり、風が入りにくい物件であれば、除湿器やサーキュレーターを取り入れるのもいいと思います。冬に結露で窓が濡れてしまったら、こまめにふき取るようにしてください。

2. 「収納場所は閉めっぱなしにしない」

平出さん 収納場所も、閉めっぱなしにせず定期的に空気を入れてください。カビ吸収剤などを使って湿気をためないようにするのもおすすめ。カビ吸収剤は、置き型、シート型、吊るし型など色々なタイプが販売されていますので、用途によって使い分けるといいです。

3. 「カーテンやソファにはカビ防止スプレーをかける」

平出さん カーテンやソファには、カビ防止スプレーが有効です。壁と家具の間はできるだけ隙間を作って風が通るように設置してください。フローリングにベッドマットを敷くと、底がカビてしまうことがあるので要注意。湿気が多い部屋は脚があるベッドや、すのこベッドがおすすめです。

4. 「浴室やユニットバスを使った後は必ず換気」

平出さん 浴室やユニットバスは使ったあとすぐに、シャワーで水をかけておくとカビにくなります。ホコリや汚れはカビの栄養になりますので、こまめに掃除することが重要。すぐに換気することも忘れずに。

日本は湿気が多いので、湿気が気にならない物件でも梅雨時期は注意が必要です。「お気に入りのものがカビてしまった!」なんてことがないよう、しっかりと対策するようにしてください。


快適なひとり暮らしを始めるために知っておこう

物件探しは賢く丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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