郷土力士“お宝”ずらり 街地区生涯教育セ 前田川関の化粧まわしや賞杯も【金ケ崎】

前田川関の化粧まわしや遺族の協力で特別に展示が実現した賞杯と、開催に奔走した及川実行委員長

 歴代の本県出身力士などに関する資料を集めた「大相撲郷土力士展・金ケ崎場所」(実行委主催)は8日、金ケ崎町西根の街地区生涯教育センターで始まった。引退後に同町に住んだ元関脇の前田川関(1939~98年)=奥州市江刺出身=の化粧まわしや賞杯のほか、一関市千厩町出身でさいたま市在住の金野裕一さん(74)の貴重なコレクションが所狭しと並んだ。15日まで。

 2023年3月に一関市で開かれた千厩地区民祭の特別展示「大相撲郷土力士コレクション」でコレクションを公開した金野さんの協力を得る一方、前田川関の遺族から1961年3月の大阪場所で敢闘賞と雷電賞をダブル受賞した際の賞杯、盾などを特別に借り受けて展示している。

 金野さんのコレクションでは、郷土力士の出身地が一目で分かる手作りの地図や、一関市花泉町出身の関ノ戸億右衛門の名が記された1710年10月付の最古の番付表(複写)、サイン入り手形、行司が翌日の取組の告知に使う力士の名前を相撲字で書いた半紙「顔ぶれ」などが並んだ。

 初日は前田川関の三男で同市江刺在住の菊池裕介さん(47)も来場し、父親にまつわる展示を見ながら「引退後に自宅で大相撲中継に見入る姿が印象に残っている」と振り返った。

 また、金野さんも初日に来場し「一関市出身で横綱に上り詰めた宮城山をはじめ、私のコレクションを通じて、優れた郷土力士の存在を、ぜひ知ってもらいたい」と期待した。

 開催に奔走した及川隆義実行委員長(77)も「貴重な資料を集めた、めったにできない展示だ。ぜひ、皆さんに見てほしい」と来場を呼び掛けている。

 入場無料。開場時間は午前10時から午後4時(最終日午後3時)まで。

 9日には岩手相撲甚句会事務局長の蜂谷緑さん(一関市)が来場し、午前10時と午後1時30分から「相撲甚句」と「相撲字」を実演する。

© 岩手日日新聞社