「衝動的に殴った」磐田女性殺害事件裁判 被告人質問 静岡地裁浜松支部

交際関係にあった女性を殺害し、沼津市の自宅に遺棄したなどの罪に問われている男の裁判で、男は「衝動的に殴った」と話しました。

起訴状によりますと沼津市の無職の男(32)は2023年2月静岡市で、磐田市に住む交際していた女性(当時33)の頭を鉄製のハンマーで複数回殴り、スマートフォンの充電ケーブルで首を絞めて殺害。翌日、電動のこぎりなどを購入し、沼津市の自宅で遺体を切断した後、バルコニーなどに遺棄した3つの罪に問われています。(殺人、死体損壊、遺棄)

この裁判では、犯行の計画性が争点で、これまでに土屋被告は女性との間で不倫関係となり、多額の金銭トラブルがあったことがわかっています。

6月6日の裁判では土屋被告への被告人質問が行われました。まず、弁護側から、犯行日の様子を問われると、土屋被告は「不倫関係の解消目的で 金を払うなどと言い、女性と会ったが、女性から『金を払っても家族の安全の保証はない』と言われ、衝動的にハンマーで頭部を殴った」と答えました。

また、首をしめた理由については、「殴った後も脅迫してきたため、限界を感じた」と話し、「殺してしまって申し訳ない気持ちがあったが、何とかして隠さないといけないと思い、遺体を解体した」と話しました。

一方、検察側から妻に不倫関係が知られた後の女性との関係について問われると、「妻と離婚するつもりはなかったが、女性には離婚するというようなニュアンスを伝え、離婚届を見せた」と答えました。

女性から脅迫や暴行を受けていたのに、関係を継続し、その証拠を残さなかった理由については、「渡したお金を取り返す必要があったほか、関係を断てば、家族や職場に関係をばらすなどと脅されていた。好意はなかったが証拠を残すことまで考えていなかった」と話しました。

裁判は次回10日で結審する予定です。

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