「納得いかない…」畑岡奈紗が失格 ボール捜索が制限時間3分をオーバー 4位で迎えた翌日に発覚

初日の最終9番。2打目をグリーン右の茂みに打ち込んだボールの捜索が失格につながった(撮影/村上航)

◇米国女子◇ショップライトLPGAクラシック by Acer 2日目(8日)◇シービュー ベイコース(ニュージャージー州)◇6190yd(パー71)

畑岡奈紗が前日のルール違反により第2ラウンド開始前に失格処分を受けた。第1ラウンドの最終9番(パー5)、茂みに打ち込んだ球を発見するまでに捜索にかけられる3分の制限時間を超過していたことが発覚。現場にいた関係者からのこの日の朝の通報を受けたツアーが映像で検証を行い、誤所からのプレーの違反(ゴルフ規則14.7b)が認められた。

畑岡は前日、同ホールでの第2打をグリーン右のブッシュに入れ、同伴競技者やキャディらとボールを探した。ゴルフ規則(18.2a)では捜索時間を3分と定めているが、競技委員らが実際に計測するわけではない。草むらにあったボールを発見した後、畑岡はアンプレヤブルの処置を経て4オン1パットのパーでホールアウト。「65」で終え、6アンダーの4位で第1ラウンドを終えていた。

ところが大会はこの日の朝、捜索のシーンに立ち会っていた米テレビ中継局のリポーターの申し出を受け、映像を検証。捜索に3分25秒かかっていたことが明らかになった。本来であれば、球は紛失したとみなされ、1罰打を加えて2打目地点から4打目として打つ必要があった。スコア提出前にその誤りを訂正しなかったため、失格になった。

第2ラウンドを控えた朝、畑岡はコース内でウォーミングアップをしている最中にツアーから失格の連絡を受け、茫然となった。「同伴競技者から言われたなら納得いきますけど…。外部の人に言われて、次の日にこういうことになってしまうのは、ちょっと納得がいかない。まさかこんなことになるとは思っていなかった」と無念さをにじませた。

3分と定められている捜索時間は、実際には第三者が立ち会って計測するわけではない。グリーンサイドから4打目を打つ直前のシーンに立ち会っていた競技委員は、選手らが球を捜索していたことを知らなかったという。畑岡に問い合わせを受けたアンプレヤブルの処置について説明していたため、その場で制限時間に関する言及はなく、プレーはそのまま進められた。

なお、ゴルフ規則は2017年に「ビデオに映る事実が肉眼で合理的に見ることができない場合、そのビデオの証拠が規則違反を示していたとしても採用しない」という条文を追加した(20.2c)。テレビ視聴者からの指摘等による違反の発覚で、後日、失格や罰打が加わっていたことへの対策だったが、今回はこれに当たらないという。今大会の競技委員長を務めるスー・ウィッター氏は「7年前、このルールで変わったことは、我々が(視聴者の)電話による通報を受け付けなくなったことです。しかし(今回は)大会のコース上にいた信頼できる情報源による通報だった」と説明した。

仮に誤所からのプレーがホールアウト前に発覚していれば、2罰打(一般の罰)を加えたスコア(67で4アンダー)から第2ラウンドをスタートできた。通報がスコアカード提出前に行われていたら…と思うと悔やみきれない。(ニュージャージー州ギャロウェイ/桂川洋一)

ゴルフ規則(抜粋)

18.2a 球が紛失またはアウトオブバウンズとなる場合

球が紛失となる場合。プレーヤー、またはそのキャディーが球を捜し始めてから3分以内に見つけることができなければ、その球は紛失となる。

14.7b ストロークプレーで誤所からプレーした後にホールを終了する方法

プレーヤーは誤所からプレーした球でホールのプレーを終わらせるのか、それとも正しい場所からプレーすることにより間違いを訂正するかを決めなければならない。ストロークプレーでは、プレーヤーが次に何をするのかは重大な違反があったかどうかによる。つまり、プレーヤーが誤所からプレーすることによって著しい利益を得たのかどうかによる

<重大な違反がある>
・プレーヤーは規則に基づいて正しい所からプレーした球でそのホールのプレーを終えることによりその誤りを訂正しなければならない。
・ プレーヤーが別のホールを始めるためのストロークを行う前に、またはそのラウンドの最終ホールでは、そのプレーヤーのスコアを提出する前にその誤りを訂正しなかった場合、そのプレーヤーは失格となる。

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