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一時期、FC町田ゼルビアのロングスローを批判する声があった。それに対し、実際にピッチで戦う選手たちはどう感じていたのか。パリ五輪世代のFW藤尾翔太はまず「何も気にすることはなくて」と答えて、言葉を継いだ。
「ロングスローがチャンスになっていたので、相手の弱点を突く良い戦術やなって。実際、ゴールにも結び付いていて、だから何も気にしてなかったです。ゴールを決める手段のひとつとして、(ロングスローを)活用しています」
藤尾と同年代のMF平河悠も「そこから生まれるゴールは多い」と同調する。
「昨季は批判の声を耳にしましたが、町田の武器と認識されるようになってからそういう声も少なくなっています。事実、J1でも通用していますしね」
通用しているのだから使うのは当然。説得力十分の回答だろう。
今季は「町田=ロングスロー」ではない。スローインの際、状況次第でクイックやショートを使うなど昨季以上にセットプレーのバリエーションは豊富。一体、セットプレーの種類はどれくらいあるのか。そう藤尾に問うと、彼は笑顔で「それも戦術なんで詳しく言えないです」と答えてくれた。
今やJ1リーグの名物になりつつある“町田のセットプレー”。セレッソ大阪とのルヴァンカップや、今後のリーグ戦でどんなものを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)