能動的サイバー防御へ 総理が法案急がせる

 サイバー安全保障分野での対応能力向上に向けた有識者会議(座長・佐々江賢一郎元駐米大使)の初会合が7日あり、岸田文雄総理は河野太郎デジタル担当大臣に対し「この会議の成果を踏まえ、関係大臣と協力の上、可能な限り早期に関連法案を取りまとめるように」と指示した。

 岸田総理は「我が国のサイバー対応能力の向上は現在の安全保障環境に鑑みるとき、ますます急を要する課題だ」とした。そして「国家安全保障戦略ではサイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させることを目標に掲げ、その柱として能動的サイバー防御を導入することとした」と述べた。

 サイバー攻撃を受ける前に先手を打ち、被害を防御する『能動的サイバー防御』を目指すとしており、憲法が保障する「通信の秘密」との整合性などが課題になり、今後の有識者会議がどのような取りまとめを行うかが注視される。

 なお有識者会議は17人で構成。NTT副社長の川添雄彦氏はじめ日本経済新聞大阪本社代表の丸谷浩史氏、読売新聞グループ本社社長の山口寿一氏らのほか、弁護士や学者らが入っている。(編集担当:森高龍二)

© 株式会社エコノミックニュース