薄茶で市民をおもてなし 水戸市芸術祭で茶会 茨城

お点前を楽しむ参加者たち=水戸市泉町

茨城県の水戸市芸術祭の茶会が8日、同市泉町の水戸市民会館で開かれた。江戸千家、石州流、裏千家の3流派が約300人にお点前を披露し、茶の湯の世界に誘った。9日も開かれるがチケットは既に完売している。

石州流の水戸何陋(かろう)会は、水戸ゆかりの文化人、高橋箒庵(そうあん)の掛け軸「青山緑水(せいざんりょくすい)」を床の間に飾り、生命の息吹を意味する詩の一節だと紹介。目の前でたてた薄茶や島根・松江の和三盆でもてなした。高橋靖市長も訪れて市民と一緒に味わっていた。同市茶道連合会の湊素仙会長は「茶席が初めての方も気軽に楽しんでほしい。ここ(市民会館)を茶文化の発信地にしたい」と意気込んだ。

子育てが落ち着き15年ぶりに参加したという同市の自営業、木村あけみさん(57)は「指先まで凜(りん)とした立ち居振る舞いがすてき。お抹茶は香ばしかった」と話した。

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