3代目「鳥羽丸」の体験航海 鳥羽商船高専、退役前に小中学生ら乗船

【練習船「鳥羽丸」(3代目)に乗船して行われた体験航海=鳥羽市で】

 【鳥羽】三重県鳥羽市の鳥羽商船高等専門学校は8日、今月14日に退役する練習船「鳥羽丸」(3代目)に乗船する体験航海を開き、県内外から小中学生や保護者ら37人が参加した。

 同校では、小学生(10歳以上)や中学生とその保護者を対象に、船の仕事や同校について知ってもらう体験航海を実施。例年は夏休みに行っているが、今回は退役に合わせて6月1、8日に1日2回計4回行い、2日間で68人が乗船した。

 鳥羽丸3代目は全長40メートル、総トン数は244トン。時代に合わせた最新の機器や幅広い教育に対応した各種調査・研究設備を備え、平成6年の竣工から約30年間、学生の実習や研究航海などに活用されてきた。現在、建造中の練習船代船(4代目)は来年3月に完成予定で、鳥羽丸3代目を使った体験航海は今回が最後となる。

 参加者らは鳥羽丸に乗って1時間半ほど伊勢湾を巡り、船内で実習を行う商船学科機関コース5年生から説明を受けながら、船橋(ブリッジ)や機関制御室、教室、フライングブリッジなどを見学。同校の学生らは学校生活や実習内容なども詳しく話した。

 兵庫県から訪れた北淡中3年の森七海さんは同校受験を希望しており、「鳥羽丸はすごく雰囲気が良くてまた乗りたいと思った」、鳥羽東中2年の橋爪拓哉さんは「実習の話を聞いて面白そうだと思った」と話した。

 同コース5年の匹田梢真さんは「船乗りはなり手が少なく、どんな仕事か知らない人もいるので、体験航海をきっかけに知ってもらいたい」と話した。

© 株式会社伊勢新聞社