猛暑に負けないスポドリの賢い飲み分け「水分とエネルギーを効率良く補給するカギはハイポトニック飲料にあった」

イラスト・のり

ゴルファーの皆さんは、熱中症対策として主に水やスポーツドリンクで水分補給をしながらラウンドに臨んでいると思います。ただ一方で、「水ならいくら飲んでも大丈夫?」「“スポドリ”って体にいいの?」など、不安もよく聞きます。

確かにプレー中に水を1~2リットルも飲めばノドは潤いますが、熱中症になってしまうこともあります。だからといって糖質が多く含まれているスポーツドリンクを過度に飲み続ければ、体が重く感じたり、肥満や糖尿病などのリスクを高めることがありますので注意が必要です。
 
暑い日は水分補給をしっかり行うことが必須です。その上で、試合前は運動に使うエネルギーを補給しておく。ハーフタイムの休憩時等には、エネルギーと水分の補給を同時に行いましょう。これらは目的に応じて異なるタイプのスポーツドリンクを飲み分けることによって可能です。
 
スポーツドリンクは2つのタイプに大別されます。1つは、従来のスポーツドリンクに代表されるアイソトニック飲料。安静時の体液と同じ浸透圧の飲料で、運動前のエネルギー補給や汗で失われるミネラル分を手軽に吸収することができます。運動中の水分補給に適しているのですが、糖質が多く含まれているため、ノドの渇きにまかせて飲み続けると余分な糖分を摂ってしまいかねません。
 
もう1つはハイポトニック飲料で、経口補水液もこれに含まれます。ハイポトニックは安静時の体液よりも浸透圧が低いため、汗をかいた体に浸透しやすい飲料です。発汗により失われたミネラルや電解質を補うので、熱中症予防やラウンド中の水分補給としてオススメ。
 
両者の飲み分けは、気温、発汗の度合い、疲労などを注意深く観察して判断しましょう。成人男性であれば、プレー中に飲むための水分として500mlのペットボトルでアイソトニック飲料1本、ハイポトニック飲料2本、水1本は携行し、果汁100%のオレンジジュースや野菜ジュースを1本加えておきましょう。
 
今年の夏は昨年以上の猛暑が予想されています。十分な熱中症対策を取ることによってアスリートとしてさらに高い意識を持ち、ドリンクの飲み方をコントロールしてください。コンディションが安定し、18ホールを元気に回り切れるでしょう。
 
●アイソトニック飲料(アクエリアス、グリーンダ・カ・ラ、ビタミンウォーターなど)
プレー前のエネルギーの補給に! 安静時の体液と同じ濃度の飲料。スタート前やラウンド中のエネルギー補給に適している。ただし、糖質が多く含まれているためノドの渇きにまかせて飲むと余分な糖分を摂ってしまいかねない。
 
●ハイポトニック飲料(アクエリアスゼロ、ヴァームスマートフィットウォーター、スーパーH2Oなど ※経口補水液もハイポトニック飲料に分類される)
ハイポトニックは人の安静時の体液よりも浸透圧が低いため、汗をかいて浸透圧が下がった体内に浸透しやすい。汗とともに失われたミネラルや電解質を補い、熱中症を予防。糖質の濃度が低く運動中の水分補給としてゴクゴク飲める。
 
解説●土屋麻佑
管理栄養士(スポーツ栄養士)。女子栄養大学実践栄養学科卒。全国の病院・介護施設向けの治療食を扱う組合本部で商品開発等に携わる一方、2019年からアスリートの栄養指導や調理の指導を開始。プロを目指す学生アスリートからJリーガー、社会人アメフト選手など幅広く指導を行っている。20年「FOODLETE!」を立ち上げ、アスリートと栄養士を繋ぐプラットフォームを運営している。
 
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