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夫と妻がもらえる年金の種類
日本の年金制度は2階建てで、会社員などは「国民年金」と「厚生年金」に加入し、老後は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取れます。また、ずっと専業主婦だった人が受け取れる年金は老齢基礎年金のみです。
夫と妻がもらえる老齢基礎年金
夫と妻が受け取れる老齢基礎年金の金額は、受給資格期間などの「要件を満たしているかどうか」で決まり、2024年度の満額は年間81万6000円です。今回は夫も妻もこの満額を受給できるとします。
夫がもらえる老齢厚生年金
会社員の夫は、老齢基礎年金に加え老齢厚生年金も受給可能です。老齢厚生年金の額は「報酬比例部分」「経過的加算」「加給年金額」の合算ですが、今回はメインの「報酬比例部分」について見ていきます。
「報酬比例部分」の計算で求められる、年間の年金受給額は次のとおりです。
・報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数
夫の生涯の平均年収が500万円の場合、平均標準報酬額は41万円ですので、仮に20歳~60歳までの40年間働いたとすると、65歳以降にもらえる報酬比例部分の年額は107万8661円となります。
夫婦で年金を毎月25万円もらうために妻が稼ぐ必要がある金額
ここまでのシミュレーションを整理すると、会社員の夫が年収500万円、妻がずっと専業主婦だった場合に夫婦が65歳以降にもらえる年間の年金額は次のとおりです。
__・夫の老齢基礎年金:81万6000円
・妻の老齢基礎年金:81万6000円
・夫の老齢厚生年金:107万8661円__
これらを合計すると271万661円です。毎月25万円を年金でもらう場合は年間では300万円です。そのため、夫婦が現状もらえる年金額(271万661円)との差額は28万9339円あります。
この差を埋める手段の1つとして、妻が働いて厚生年金に加入し、老後に老齢厚生年金を受け取ることが挙げられます。
妻も現在40歳で、60歳までの20年間働いて、この金額を満たす水準を計算すると、20年間の平均で毎月21万円以上稼ぐ必要があります。
まとめ
夫と妻が40歳で夫が年収500万円の場合、今まで専業主婦だった妻が60歳まで平均して毎月21万円稼げば、65歳以降に夫婦で毎月25万円を年金で受け取れます。また、妻が稼いだお金は生活費や貯蓄に回せるので、その分生活が楽になるかもしれません。
とはいえ、今までずっと専業主婦だったのに急に毎月21万円も稼ぐことは簡単ではないでしょう。老後のお金はもちろん大切ですが、現実的にどれくらい働けるかも考慮しながら、老後の準備を進めていきましょう。
出典
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー