韓国、6年ぶり拡声器で宣伝放送 北朝鮮ごみ風船再開に対抗

9日、ソウルを流れる漢江で見つかった北朝鮮が飛ばした大型風船(韓国国防省提供・共同)

 【ソウル共同】韓国軍は9日、北朝鮮が8日以降、ごみをぶら下げた大型風船約330個を韓国側へ飛ばしたと明らかにした。北朝鮮は2日にごみ風船の中断を表明したが再開。韓国軍は9日午後、対抗措置として南北の軍事境界線付近での拡声器による対北朝鮮宣伝放送を実施した。南北関係改善が進んだ2018年に中止して以来、約6年ぶりとなる。

 宣伝放送は韓国側の優位性を宣伝する心理戦の一環で、過去にはK―POPも流された。韓国大統領府は「北朝鮮の政権には耐えがたくとも北朝鮮の軍と住民には希望になるだろう」と主張した。北朝鮮もさらなる対抗措置に出て対立がエスカレートする可能性がある。韓国軍は今後も放送をするかどうかは「北朝鮮の行動次第だ」とした。

 北朝鮮はごみ風船中断を表明した際、韓国の脱北者団体が北朝鮮体制批判のビラを付けた風船を北朝鮮側へ飛ばせば「100倍」のごみを送ると警告。この後、韓国の団体は6日と7日、風船を飛ばしていた。

 韓国軍によると今回北朝鮮が飛ばした風船のうち約80個が韓国側に落下した。

© 一般社団法人共同通信社