『鬼滅の刃』効果で「紙飛行機」がトレンド入りも! アニメ版で明らかになった「エモすぎる設定」とは

『鬼滅の刃 柱稽古編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

アニメ『鬼滅の刃』の最新シリーズ「柱稽古編」の第四話「笑顔になれる」が6月2日に放送された。

鬼舞辻無惨との戦闘に備えて、それぞれの柱のメンバーによる稽古の様子が描かれる「柱稽古編」。第三話「炭治郎全快!! 柱稽古大参加」では、傷が癒えた竈門炭治郎が元音柱の宇髄天元の稽古に参加したことが描かれた。原作漫画の1ページ分に相当する内容に、アニメオリジナルのシーンをたっぷり含んで放送されたことは大きな話題となった。

第三話のラストでは、霞柱・時透無一郎のもとでの稽古が示唆されたが、蓋を開けてみれば第四話も、原作漫画で描かれた約2ページ分の内容がまるまる1回使って描かれていた。今回もファン待望の“アニオリ”展開がたっぷり描かれたのだ。

原作漫画では、無一郎のもとを訪れた炭治郎は時透の指示をすぐに自身の太刀筋に反映し、2週間稽古を受けている隊士たちをよそに、たった5日で次の柱のもとへ向かうこととなる。

これをアニメでは、具体的な稽古内容と「刀鍛冶の里編」以降の無一郎の変化、そして彼の意外な趣味が発覚する形で補足された。

今回補足されたエピソードで印象的だったのは、隊士たちに対してあたりが強い無一郎を見かねた炭治郎が、紙飛行機の飛ばしあい競争を持ちかけるところだろう。これは完全にアニメオリジナルのシーンで、第二話で水柱の冨岡義勇にそばの早食い勝負を持ちかけたときと全く同じ、炭治郎の天然ぶりを感じさせる展開だ。

結果、炭治郎は紙飛行機づくりが得意な無一郎に惨敗するが、その後、隊士全員で紙飛行機を飛ばし合うわきあいあいとしたシーンがあった。隊士たちの年相応の楽しそうな表情が印象的だった。

「刀鍛冶の里編」までは自身の記憶もおぼろげで無表情だった無一郎も、今では炭治郎の前ではとびきりのかわいらしい笑顔を見せる。それでもまだ毒舌な一面もある彼の二面性が原作漫画以上にくっきりと描かれたところも興味深かった。

■ANAとのタイアップ企画も実施

放送後、SNSでは「紙飛行機」がトレンド入りを果たした。また6月5日には「柱稽古編」放送連動施策「霞柱・時透無一郎の “飛ばそう!紙飛行機”」として、ANAとのタイアップで就航していた「鬼滅の刃 じぇっと」デザインの紙飛行機が作れる型紙がダウンロードできるという異例の企画も発表された。

無一郎の紙飛行機については、公式ファンブックの人物録の欄に小さく「趣味:紙切り、折り紙(死ぬほど飛ぶ紙飛行機が作れる)」と描かれていた程度。この設定が広げられ、隊士たちとの交流につなげて演出された。

また今回は原作漫画にはない柱同士の稽古シーンも。風柱・不死川実弥が風の呼吸「肆ノ型 昇上砂塵嵐」を繰り出すと、蛇柱・伊黒小芭内は蛇の呼吸「伍ノ型 蜿蜿長蛇」で応戦する。

その後、無一郎VS不死川&伊黒の稽古も描かれた。それぞれが身軽に攻撃を避けたかと思えば、砂煙の中で火花が散る。アニメ『鬼滅の刃』の中でも高評価を得ている呼吸を使った際のエフェクトが大迫力で描かれ、戦闘シーンが待ち遠しい視聴者を大いに喜ばせた。

また稽古のあとはそれぞれの柱稽古の様子を報告し合うなど、柱らしい責任感のある一面も見せている。彼らが夜な夜な稽古をしている真面目さと、第一話から仲の良い様子を見せていた不死川&伊黒だけでなく、無一郎も2人といい関係なのが示唆されたのは、原作でもなかなか描かれなかったところだ。

さて、「柱稽古編」では名もなき隊士たちが稽古に取り組む様子が、短尺ながらきちんとそれぞれの個性を感じるように描かれている。毎週一度きりしか登場しないとはいえ、それぞれの性格にちゃんと愛着がわくように丁寧に描かれており、モブとはいえ顔の描き分けもきちんとなされている。

また、こうした末端の隊士の心情を描くことで、あらためて鬼殺隊の組織とはどういうものなのか、どういった人が多くいるのかを感じることができる。

次回第五話「鬼を喰ってまで」では、恋柱・甘露寺蜜璃の稽古が始まる。この調子だと、来週も甘露寺の新たな一面が見られるようなアニオリ展開が盛りだくさんだろう。原作漫画では柔軟をメインにした稽古のようだったが、はたして炭治郎は甘露寺とどう関わり、また、モブ隊士たちは稽古にどのように取り組むのか。次回も隅から隅まで見逃せない。

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