糸満ハーレー、新島が総合優勝 アヒル取りも実施、参加者に「首や羽をつかまない」同意書

糸満ハーレーのトリを飾るアガイスーブで優勝した新島(手前)=9日、糸満市の糸満漁港(ジャン松元撮影)

 【糸満】旧暦5月4日のユッカヌヒーにあたる9日、大漁や航海安全を祈願する「糸満ハーレー」(同行事委員会主催)が糸満漁港で開かれた。糸満の集落「西村」「中村」「新島」が競い合う御願(うぐぁん)バーレーで幕開けとなり中村が先勝した。その後、青年団、「クンヌカセー」(転覆競漕)、約2150メートルを競う最終競漕「アガイスーブ」で熱い戦いを繰り広げ、新島が総合優勝した。

 同日は、アヒル取り競争も実施された。アヒル取り競争を巡っては動物愛護団体から動物虐待との指摘を受けていた。今回は事前にアヒルの首や羽をつかまないなどの同意書を書いた参加者らが開始と同時に次々と海へ飛び込んだ。

 漁船からアヒル30羽が放されると、参加者は素早く追いかけ、捕まえた後はけがさせないように抱えながら主催者側からもらった布の袋に入れて持ち帰った。

 同委員会によると例年以上の参加人数という。岸壁では多くの人が歓声を上げ、スマートフォンなどで撮影していた。アヒルを捕まえた男性(22)は「同意書に書かれていたように、傷つけないよう注意しながらアヒルを捕まえた。よい思い出になった」と話した。

 同委員会の東恩納博委員長は「後日、各自治会から報告を受けて精査するが、現時点で虐待は確認されていない」と説明。来年以降も継続する考えを示した。

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