日本人が高いお金を払って年に1回も着ない礼服を購入する理由―中国人記者

中国メディアの環球時報は3日、「学校」という空間における日本の母親の服装マナーに関してつづられた、駐日特約記者による文章を掲載した。

中国メディアの環球時報は3日、「学校」という空間における日本の母親の服装マナーに関してつづられた、駐日特約記者による文章を掲載した。

同記者は「最近、中国のSNSでは日本に来て間もない(中国人の)母親たちが子どもの入学式に出席した時の写真を投稿している。それはフォーマルと言えそうなものだが、一部では依然として『私立の学校としてはどうなのか』と指摘する声が出ている。では、日本の私立の学校ではどのような服を着るべきなのか」と疑問を提起した。

その上で、「日本の学校、特に伝統ある私立学校には独自のスタイルや理念があり、生徒や保護者はそれに適応する必要がある」と説明。東京都内の私立の男子校に通う子を持つ知人に学校での服装のルールを尋ねたところ、「どんな時のことを言っているの?」と逆に聞き返されたというエピソードに触れ、「やはり場面によってこだわりがあるようだ」と述べた。

そして、その知人の話として「最も軽装で良いのが運動会で動きやすい服装で構わない。その次がPTAの集まりや授業参観で、基本的には正装。そして最も要求が高いのが入学式と卒業式で、基本的に礼服を着なければならない」とし、「黒や紺のスーツが多いが、入学式の場合は白やベージュなどの明るい色もあり、ジャケットにコサージュを付けることもある。ただ、いずれも高級ブランド服やノースリーブ、丈の短いスカート、大きなロゴが入ったバッグなどはNGで、髪も金色など目立つ色は避けるのが慣例になっている」と紹介した。

また、同記者の自宅近くには私立校があるため行事に来る保護者をよく見かけるといい、「彼女たちの服装には細かく見ると統一感がある。ジャケットに膝丈のスカートが一番多く、次にワンピース。基本的には黒か紺色で、はっきりとしたロゴが入ったかばんは一つもない」と言及。こうした服装における「ルール」は学校側が具体的に要求するものではないが、保護者が自分の母親に聞いたり、学校のホームページに掲載されている過去の写真などを調べたりして、自ら苦心してそこから外れないようにしていると述べた。

同記者は「母親たちがミスをしないように、目立たないように服装に気を配っているのは、自分たちがきちんとすることで他の人たちと“同じ”でいたいから。日本では保護者の服装が場違いだと仲間外れにされたり、『あそこの家は教養がない』と子どもにまで影響したりする。そんな不文律が母親たちに少なからぬストレスを与えている」とし、「日本の多くの家庭は高いお金を払って礼服を購入するが、年に1回も着られないのである」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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