「ゆいまーる」の心で100周年 川崎沖縄県人会が節目祝う式典、琉球舞踊も華を添える

記念式典であいさつする金城会長=川崎市幸区

 創立100周年を迎えた川崎沖縄県人会(川崎市川崎区)の記念式典が9日、市産業振興会館(同市幸区)で開かれた。式典では伝統舞踊も披露され、ウチナーンチュ(沖縄の人)ら約250人が節目を祝った。

 近代化が進む大正期の川崎には沖縄をはじめ全国から働き手が集まった。しかし1923年に関東大震災が発生、沖縄出身者たちが生活再建へ手を取り合ったことがきっかけとなり、翌24年に川崎に同会が発足した。全国の沖縄県人会で最も歴史が古いといわれている。

 金城宏淳会長(74)は式典でこれまでの歩みを振り返り、「先人たちはゆいまーる(助け合い)の心を持っていた」と語った。金城会長は「ちむぐくるあわち、未来へ(心を一つにして未来へ)をスローガンに100年先を見据えて歩んでいきたい」と力を込めた。

 この日は川崎沖縄芸能研究会のメンバーらが、祝いの席を彩る琉球舞踊「かぎやで風」などを披露し、式典を盛り上げた。

 来賓の福田紀彦市長は「川崎の発展の礎を築き、困難も乗り越えてきた先人に感謝と敬意を表したい」とあいさつ。同県人会について「沖縄出身でなくても会員になれると聞いた。100年の節目に私も入会したいと思う」と話した。

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