別居中の夫を取るか、同僚との恋を取るか悩みました… 30代妻が翻弄された「別居中の恋愛トラブル」【後編】

告白してきた後輩を意識するように

「藤本くんに告白されてからというもの、妙に意識をしてしまうようになりました。職場で接する機会があるとドキドキしてしまって……。
ただ、藤本くんは別居についての詳しい事情を知りません。離婚を前提にしたものだと思っていたはずです。実際は関係を修復するための別居なので、つまり彼は叶わぬ恋をしているということになります。もどかしさや心苦しさといった感情が入り混じり、私の心も揺れ動いていました」

夫のもとに戻ろうという思いも生まれて

「ある日、夫から久しぶりに連絡が来ました。連絡事項が溜まっていたこともあり、会って食事をすることに。さすがに話題もたくさんあるため、無言になり気まずい雰囲気になることはありませんでした。会話もスムーズで、居心地も悪くない。いずれはこの人のもとに戻るんだろうな……という考えが頭をよぎりました。
しかし、職場で藤本くんと顔を合わせると高揚感が蘇り、どうしても新しい恋に心が傾いてしまいました」

親しい同僚に相談してみると…

「夫を取るか新しい恋に進むか、自問自答を繰り返し、ひとつの結論に達しました。夫の元に戻っても、しばらくするとまた気まずい時間がやって来て、雰囲気も悪くなるはず。そこでもし離婚となれば、過ごした時間は無駄になってしまう……。ならば今別れて、藤本くんと真剣に付き合うほうがいいと思いました。
こうした今までの経緯を、親しい同僚に報告することにしました。ところが、夫のこともよく知っているその同僚に詳細を伝えたところ、思いがけない話が飛び出してきたのです」

後輩には彼女がいた…

「同僚の口から出たのは、“藤本くんて、彼女いなかったっけ?”という言葉。まさに寝耳に水の発言。そんな話を一切聞いていなかったので、私は激しく動揺しました。
私は家に帰ると、すぐに藤本くんに電話をしました。そして、彼女の存在を尋ねたところ、“いますよ”と……。私が思わず、“それなのに告白してくるなんておかしいでしょう”と訴えると、“そっちも夫がいるじゃないですか”と返してきました。思わず、肩の力がガクッと抜けましたね。思い描いていたプランは総崩れ。完全に夢から覚めました。
結局、藤本くんとはそれっきりで何もありませんでした。現在は、夫が週に1~2回私の部屋にごはんを食べにやって来ます。そろそろ、もとの生活に戻りそうです」

“夫と別居中に同僚から好意を告げられた妻の告白”をご紹介しました。
だいぶ遠回りをしたものの、夫婦関係は修復に向かっているようです。とりあえず、決断を早まらず、離婚を選択せずに済みました。やはり、事情を周囲に相談することも大事なのでしょう。

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