「いつでも待ってるぞ」西口文也2軍監督の珍エールに苦笑い、支配下昇格の奥村光一が激動の一日

ポーズを決める西武・奥村(撮影・永田浩)

西武は9日、育成の奥村光一外野手(24)と支配下選手契約を結んだと発表した。その奥村がファームの仲間に挨拶する様子などを球団公式YouTubeが公開した。

8日にファームのコーチ室に呼ばれた奥村は緊張の面持ち。広池浩司球団副本部長が「本日付で、奥村を支配下登録にすることになりました」とコーチ陣に向け説明を行い、「今日練習した後、明日、1軍に登録予定です」と慌ただしいスケジュールを明かした。

あいさつの場に立った奥村は「このたび、支配下あげていただきました奥村です。えー」と言葉に詰まり「ちょっとやり直していいですか」とまさかの提案。コーチ陣からは笑い声が上がった。

その後、コーチ陣らとガッチリ握手を交わした奥村。最後に待ち受けた西口文也2軍監督からは「いつでも待ってるぞ」と語りかけられ「待ってる!?」と驚きの表情を浮かべたが、西口監督はすぐに「暴れて来いよ!」と背中を叩きエールを送った。

奥村は最後の練習を行った後、契約書に判子を押し、担当スカウトだった秋元宏作から「今の気持ちを忘れずに常にこの瞬間をきちっと覚えておいて」と声を掛けられ、試合が行われる阪神甲子園球場に出発した。

この投稿にファンからは「一番やる気を感じていた選手」「悩めるライオンズを救っておくれよ」「良いスイングしてたね」「何としてでもチャンスをモノにして欲しい」などの声が上がっている。

9日行われた阪神戦ではいきなり「1番センター」で出場。ユニフォームが間に合わず育成時の132のまま溌剌としたプレーを披露。初ヒットこそ出なかったが、低迷するチームの明るい存在となった。

静岡県出身の奥村は右打ちの外野手。東海大静岡翔洋高、東海大を経て、昨秋の入団テストに合格し、独立リーグ・群馬から育成6位で入団。50メートル5秒8の俊足が持ち味で、イースタン・リーグでは18試合に出場し、打率2割1分9厘ながら6盗塁し、三塁打を2本放った。気迫あふれるプレーも魅力で、首脳陣からは「思い切りがいい」と高評価を得ていた。

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