茶道体験や伝統演武披露 実習生と波崎高生が交流 茨城・神栖 

茶道を体験するインドネシアの技能実習生たち=神栖市波崎

はさき漁業協同組合(才賀正紀組合長)が受け入れているインドネシアの技能実習生と茨城県立波崎高(高橋秀樹校長)の交流会が5月30日、同県神栖市波崎のはさき生涯学習センターで開かれた。同校茶道部の15人と4月に来日した実習生11人が参加し、茶道体験や伝統武道の披露などを通して交流を深めた。

同世代間の多文化理解を図ろうと市が企画。同様の交流会は同漁協が実習生の受け入れを始めた2015年から続いている。

まず、茶道部の生徒がお点前を披露。実習生たちは立ち居振る舞いやお茶の飲み方、まんじゅうの食べ方などを教わり、「苦いけれどおいしい」などと話しながら生徒がたてたお茶を味わった。その後、茶せんを使いお茶たてにも挑戦した。

実習生たちはインドネシアの武術「プンチャク・シラット」と伝統的な踊り「プレセアン」を披露。プレセアンの再現では段ボール製の棒と盾が使われ、生徒たちは食い入るように迫力ある演武を観賞していた。

最後には自由に話せる時間も設けられ、アニメや食事、将来の夢などの話で盛り上がる様子が見られた。

参加した同校2年、鈴木大翔さん(16)は「最初は緊張していたが、話してみたらすごく楽しかった」と笑顔。実習生のイルハム・ムストファさん(19)は「お茶はとても苦かったが、まんじゅうの甘さと合っていた。今日をいつまでも忘れません」と満足そうに話した。

実習生は6月から漁船に乗り込み、本格的な海洋実習に励むという。

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