フランス、下院解散総選挙へ 極右に敗北、五輪間近の6~7月

マクロン大統領=2024年2月(ロイター=共同)

 【ブリュッセル共同】フランスのマクロン大統領は9日、国民議会(下院、577議席)を解散し、総選挙を実施すると発表した。欧州連合(EU)欧州議会選で自身の与党連合がマリーヌ・ルペン氏の極右、国民連合(RN)に大敗したことを受けて決めた。第1回投票を6月30日、決選投票を7月7日に行う。7月下旬に五輪開幕を控える中、内政が混乱する恐れがある。

 マクロン氏はテレビ演説で「何事もなかったように振る舞うわけにはいかない。重大な決断だが信任を得るための行動だ」と述べた。

 ルペン氏は「フランスを再生させる」用意があると述べ、総選挙での勝利に意欲を示した。2027年の次期大統領選でもルペン氏の勝利の可能性がささやかれる中、欧州議会選の結果は追い風となりそうだ。

 RNは欧州議会選をマクロン政権への信任投票と位置付け、移民問題やインフレなどを巡りマクロン氏を激しく批判。地元メディアによると、RNの推定得票率は与党連合の2倍以上の約32%に上った。

 下院解散はシラク大統領(当時)が実施した1997年以来。

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