今年も実れ 給食有機米 「優しい味」児童ら田植え 作付面積倍増  茨城・常陸大宮 

教わりながら田植え体験する小学生たち=常陸大宮市鷹巣

有機米の学校給食が昨年11月からスタートしている茨城県常陸大宮市で、2年目を支える稲作りが本格的にスタートした。有機米を育てる水田では地元の小学生が手植えによる田植えが行われ、鈴木定幸市長、小野司寿男市教育長も田植えに加わった。「優しい味でおいしい給食」の有機米給食が軌道に乗っていくことを願っていた。

有機米の農作業の安全と豊作を祈願して、JA常陸が同市鷹巣で御田植え祭を開催。その一環で、子どもたちによる田植えは地元の子ども会が企画。希望者を募り、市立大賀小の児童13人が参加した。

集まった子どもたちは、はだしになって水田に入り、最初はうまく足を前に運べない様子だったが、JA常陸や農家ら関係者に教わり徐々に慣れてくると、横1列になって苗を上手に植えていった。

参加した高子彦志(たかこげんし)さん(11)は「友達みんなで田植えができてうれしい。有機米のご飯は、優しい味でおいしい」と喜び、手植え後には田植え機にも乗せてもらい、他の水田で機械植えも体験した。

児童と一緒に田植えをした鈴木市長は「豊穣(ほうじょう)の秋を迎え、また子どもたちの笑顔が見られることを心待ちにしている」と期待。秋山豊JA常陸組合長は「生産を担当しているが、作付面積は昨年の2倍になり、市挙げての取り組みになった」と話した。

給食用有機米は昨年、久慈川沿いの鷹巣地区の3.9ヘクタールで栽培し、コシヒカリを約14トン収穫。市内全15校の小中学校の学校給食に一定期間提供した。今年は作付面積を8.6ヘクタールに拡大し、新たに八田地区で有機米生産農家1人が加わった。4年後には12ヘクタールまで拡大し、児童・生徒、教職員合わせて約2700食分の1年間を有機米で賄う計画だ。

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