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キャリアを積んでいくなか、部下をもつ人も増えていきますが、「問題のある部下」に頭を悩ませることもしばしば。そんなとき、どうしますか? みていきましょう。
人材獲得競争激化!好待遇で迎えられる、期待のホープたち
株式会社学情が企業・団体の人事担当者を対象に行った『20代を対象にしたキャリア採用の難易度に関する調査』によると、20代を対象としたキャリア採用について、8割の企業が「採用難易度が高い」と回答。
・求人が増え、採用における競合が増えている
・賃上げする企業が増え、提示年収を上げないと採用が難しい
などの声が寄せられたといいます。
また東京商工会議所が行った2025年の新卒者の採用に関する調査で、52.2%の企業が初任給を引き上げたか、引き上げる予定であると回答しました。その理由も8割は「人材確保」のため。
昨今、20代を中心に若手社員の給与引上げの動きが活発化。そもそも、20代の手取り額では「東京のひとり暮らしはツライ!」などという声も聞こえてきていたので、おおむね、歓迎ムードです。
【年齢別・大卒サラリーマンの平均月収/平均年収】
20~24歳:24.3万円/356.2万円
25~29歳:28.3万円/474.0万円
30~34歳:32.6万円/549.4万円
35~39歳:37.9万円/645.5万円
40~44歳:42.4万円/704.2万円
45~49歳:46.7万円/774.5万円
50~54歳:50.6万円/839.7万円
55~59歳:53.2万円/879.1万円
60~64歳:44.9万円/690.1万円
出所;厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』より
数値左より月収/年収
なにはともあれ、以前よりも好待遇であることが多い若手社員。だたその待遇に見合う人材かといえば、疑問符を持たれることのほうが多いようです。
――だいぶ勘違いしていて、だいぶイタイ若手が転職してきた
というのは、大手企業勤務、35歳のサラリーマン。たたき上げの課長で同期でも出世レースのトップ集団、月収は60万円に迫るとか。一方、転職してきたのは社会人5年目の27歳。偏差値70を超え、誰もが知る一流私立大学出身。別業界への転職ではあるものの、前職は業界トップ、日本を代表する大手企業。そんな申し分のないバックボーンをもつ、まさに若手のホープとして期待され、月収40万円と同年代の既存社員よりも10万円ほど高い給与で迎えられたという噂。
一流大卒・大手企業からの転職を鼻にかける27歳…同僚たちの不満に対し上司は
――一流大学卒のエリートの割には……
いまのところ、転職してきた期待のホープの評価は芳しくはありません。エリートという自負と実績が伴っていない職場によくいる勘違い社員の典型であり、高飛車な態度の割には仕事ができるとは言い難く、ミスをしても決して自分の非を認めないとか。
株式会社アシロ/「ベンナビ労働問題」が部下をもったことのある男女に行ったアンケート調査によると、79.9%が部下への不満が「ある」と回答。その内容をみていくと、最多は「やる気/熱意がない」で28.8%。「「言われたことしかできない」26.7%、「指示をうまくくみ取れない」23.6%と続きます。
*「かなりある」「ややある」「多少ある」の合計
【上司に聞いた「部下への不満」上位10】
1位「やる気/熱意がない」
2位「言われたことしかできない」
3位「指示をうまくくみ取れない」
4位「信頼して仕事を任せられない」
5位「コミュニケーション能力が足りない」
6位「報連相がない」
7位「反応がうすい」
8位「言い訳が多い/謝らない」
9位「仕事をしない」
10位「ミスが多い」
自分たちよりも好待遇なのに、仕事ができるとは言い難い現状の若手ホープに周囲は辟易。チームの雰囲気を悪くしています。不満のある部下に対する対応としては、「話す機会をもうける」が38.4%。「やんわり指摘する」36.6%、「はっきり伝える」25.0%と続きます。「最近はハラスメントとか言われるから、ハッキリ言うのは……」と躊躇う人も多いなか、35歳課長の場合は「はっきりと指摘」。
――言い訳するよりも前に、まずはミスしたことを謝ろう
なんとも当たり前、だからこそ痛烈なひと言に、恥ずかしそうにする27歳の若手ホープ。そのまわりには「おお、はっきりと指摘してくれた」と、心の中で拍手喝采のその他の部下たち。
――「一流大卒で、日本を代表する企業から転職してきた自分はスゴイ」とでも思っているのでしょう
――業界未経験なんだから、謙虚に学ぶ姿勢も大切
と、これまた真っ当な意見。
人材獲得競争のなかで既存社員よりも好待遇になりがちな昨今の若手社員ですが、その待遇に見合うだけの活躍ができるかは未知数。そんな若手の成長は上司の腕にかかっているといえそうです。
[参考資料]