歌って振り付け 健康体操 理学療法士・小峰康裕さん(茨城・神栖) 楽しく普及、動画サイトも

「ふるさと」を歌いながら参加者と体操する小峰康裕さん=神栖市土合本町

茨城県神栖市在住の理学療法士、小峰康裕さん(51)が歌に合わせて体を動かす独自の健康体操を広めている。市内外のイベントなどで講師を務めるほか、「にこにこ体操」のチャンネル名でユーチューブにも投稿。歌詞とリンクさせた「くすっと笑える」振り付けが特徴で、小峰さんは「頭の中でイメージが湧きやすくなり、脳の活性化につながる。多くの人に体験してほしい」と勧める。

小峰さんは千葉県銚子市の介護老人保健施設で理学療法士として働く傍ら、休日は高齢者施設や自治体のイベント、自宅開放サロンなどで自身の健康体操を普及。より多くの人に広めようと、2018年にはユーチューブへの投稿も開始した。現在、登録者数は約1万人で千本を超える動画を公開している。

「うさぎ追いし かの山 こぶな釣りし かの川」

神栖市内で開かれた健康づくり講座で、小峰さんは表情豊かに「ふるさと」を歌いながら参加者と体を動かした。頭の上に手を当てて「うさぎ」のまねをしたり、腕を前後に動かして追いかけている様子を表したり。「こぶな」は手で5.2・7と表現するなど、「おやじギャグ」も登場して会場に笑いを誘う。

終了後、「にこにこ体操」をチャンネル登録しているという女性(80)は「楽しかった。小峰さんの体操は自分を笑顔にしてくれる」と満足そうに話した。

小峰さんが歌詞と動作をリンクさせることを思い付いたのは20年ほど前。歌に合わせて体を動かす体操はそれまでにもあったが、同じ動作の繰り返しが多く「もっと動作に意味付けしたい」と考えたのがきっかけという。当時勤めていた施設で人気があった「リンゴの唄」で試したところ好評で、徐々にレパートリーを増やした。

これまでに考案した振り付けは昭和歌謡や童謡など約150曲。「99%の人が笑ってくれる」と自信をのぞかせる。理学療法士の知識を生かし、効果的に筋肉を動かせる構成にもこだわっているという。

「体が動かしづらい人は歌うだけでも、振り付けだけでもいい。その場にいるだけでも参加していることになるんですよ」と小峰さん。小さい頃からお年寄りと接するのが大好きといい、忙しい日々だが「趣味と実益を兼ねている」と笑う。

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