「五輪に向けてもいいゴルフができた」 古江彩佳は3戦連続トップ10で“ロード to パリ”終盤へ

古江彩佳はパリ五輪出場へ、あと2試合追い込みをかける(撮影:ALBA)

<ショップライトLPGAクラシック 最終日◇9日◇シービューGCベイC(米ニュージャージー州)◇6197ヤード・パー71>

1打を追いかけて迎えた最終18番パー5。3日間の平均ストロークが『4.543』、難易度17番目のチャンスホールで、古江彩佳は果敢にツーオンを狙った。

「セカンドはアゲインストでもあるので『届かせたい』と思った。(グリーン)奥に行ったのはくやしいけど、仕方がない」。このトライは結果的に、途中にマウンドもある状況で寄せなくていけないアプローチを残すことになった。さらに続く3打目はピンまで8メートルほどと近づけることができず、バーディパットを外した瞬間、2022年以来となる米ツアー通算2勝目は持ち越しになった。

2日目を終え首位とは3打差。これを追いかける一日のはずだったが、思わぬ伏兵が現れる。古江の組よりも約3時間前にスタートし、最終的に「60」をたたき出したリネア・ストロム(スウェーデン)が、とんでもない猛追を見せていたのだ。意識したのは、「まずは10(アンダー)を目指して」。すると1番から2メートルのバーディパットを沈めた。「あの近さを決められなかったらリズムが悪くなっていた。うまく入れられたのが前半のバーディラッシュにもつながったかな」。ここから前半だけで5ストローク伸ばす“追走劇”を演じる。

しかし、後半になると風が吹いたり止んだりするコンディションのなか足踏みをすることになり、奪ったバーディも13番のみ。ただ、その状況でも15、16番で微妙なパーパットを沈めるなど背中は見せることはない。「そこまでボギーもなかったし、上に追いつくためにここで叩いちゃいけないと思ってうまく集中できました」。最後はストロムに1打及ばず2位タイに終わったが、堂々の優勝争いだった。

これで3週前に7位になった「ミズホ・アメリカズオープン」、そして先週の「全米女子オープン」6位に続く、3試合連続のトップ10入り。今季スタートから日本代表入りへの意欲を明言し続けてきたパリ五輪出場のためにも、大事な結果になった。この試合前まで、世界ランク(WR)を基にしたゴルフ五輪ランクで、笹生優花(WR6位)、畑岡奈紗(WR19位)に次ぐ日本勢3番手につけていた。五輪代表は原則、各国の2番手までが得られ(WR15位以内に3人以上同国選手がいる場合は最大4人まで)、6月24日に決定。今が追い込みの時期でもある。

そして代表決定までに残るは来週の「マイヤーLPGAクラシック」、そして2週後のメジャー大会「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」のみ。古江はこの2試合とも、しっかりと出場する。五輪代表決定までの試合については、「重圧もありつつ、でもそれで頑張れるなというのもある」。“プレッシャー”と“モチベーション”が半々というのが心境だ。

「試合に出たいというのが自分のスタイル。その思いだけで出ようかなと思っています。疲れは大丈夫かな」。鉄人ぶりは、ここでも発揮される。「オリンピックに向けてもいいゴルフができた。これを続けていくことが、自分のゴルフ人生にとっても目指すところ。いい状態を続けられれば」。いよいよ、代表レースも最後の直線に差し掛かる。(文・間宮輝憲)

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