かわいくておいしい、端午節の中国ちまきに新たな潮流

かわいくておいしい、端午節の中国ちまきに新たな潮流

肉ちまき。(北京=新華社配信)

 【新華社北京6月10日】旧暦5月5日の端午節(今年は6月10日)にちまきを食べるのは、中国人にとって一種の儀式的な行為であるとともに文化の伝承でもある。ちまきには人々のより良い暮らしへの願いや、伝統文化を大切にする思いが込められているが、時代が移り変わるにつれて、伝統的なちまきにも変化が現れている。最近では、地元のグルメや流行を取り入れ、より健康的でさまざまな味わいが楽しめるちまきが続々と誕生している。

 今年の味の傾向は「ヘルシー化」で、健康を維持し病気を予防するような食材を取り入れ、低糖、低脂肪、減塩を売りにしている。上海市の老舗精進料理店「竜華素斎」が発売した精進ちまき「養生素粽」は野山の珍しい食材を厳選した栄養豊富で健康的な商品で、消費者の間で日増しに高まる養生へのニーズを満たす。生鮮食品の電子商取引(EC)プラットフォーム「叮咚買菜(Dingdong Maicai)」が開発した「一口小鮮粽」は大きさが通常の3分の1で、小腹を満たすと同時に伝統的な祭日にあやかりたいという思いもかなえてくれる。

かわいくておいしい、端午節の中国ちまきに新たな潮流

四川省成都市の馬鞍東路にある中国ちまき店で、卵黄が7個入った重さ1キロを超える巨大肉ちまき「七星連珠」を作る店員。(2022年5月30日撮影、成都=新華社記者/江宏景)

 「ちまき通り」として有名な四川省成都市の馬鞍東路では、伝統と革新の融合が繰り返されている。さまざまな味の肉ちまきのほかに、酸っぱ辛い「トムヤムクン肉ちまき」、アワビやエビなどが入った海鮮ちまき、植物で着色したもち米を使った「七彩干し肉ちまき」、火鍋の食材を入れて包んだ「火鍋ちまき」など、新たな味のちまきも人気を集めている。

 インターネット交流サイト(SNS)ではグルメの達人たちが続々と自作の「キャラクターちまき」を公開している。漫画やアニメのキャラクターやさまざまな動物をかたどったちまきが伝統的な祭日に「2次元」の萌え要素を添えており、伝統文化と現代の創造性を見事に融合している。

かわいくておいしい、端午節の中国ちまきに新たな潮流

中国のSNS「小紅書(RED)」に投稿されたネットユーザーが手作りしたキャラクターちまき。(資料写真、北京=新華社配信)

 次から次に登場する新製品は消費者が求める味覚に対するニーズを満たすだけでなく、伝統文化の魅力や新しいものを生み出そうとする精神も示しており、祭日消費の新たな潮流をリードしている。(記者/沈氷潔)

© 新華社