FANTASTICS・木村慧人「メンバーからは大人になっちゃったねと(笑)」「さっちゃん、僕は。」インタビュー

TBSでは、6月11日からドラマストリーム「さっちゃん、僕は。」(火曜午後11:56~ ※一部地域を除く。放送時間は変更になる場合があります)がスタートする。木村慧人FANTASTICS)が主演を務める本作は、その過激な内容で話題となった朝賀庵氏による同名漫画が原作(朝賀庵/集英社ジャンプコミックス刊)。大学進学のために地方から上京した片桐京介(木村)は、“さっちゃん”こと小山内早智(中山ひなの)と遠距離恋愛中だが、ひょんなことがきっかけで知り合ったアパートの隣人の人妻・国木田紫乃(石川恋)と肉体関係を持ってしまう。インモラルな展開の連続で、2人の女性にそれぞれに都合のいい対応をする京介に共感することは難しいが、それが逆に癖になる背徳的三角関係ラブストーリーだ。

思いがすれ違っていくことで関係性はどう動いて、どこにたどり着くのか。出会いによって変わっていく京介の心情も見どころの一つ。そこで今回は、京介を演じる木村さんに作品の魅力やテレビドラマ単独初主演となる意気込みなどを伺った。

――主演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。

「まず、主演と聞いてすごくうれしかったです。その時に、原作を読ませていただいて、挑戦的な役だなと感じましたし、京介くんは共感されにくい部分が多いですが、少しは共感してもらえるように自分なりにいろいろ考えて演じたいと思いました」

――共感の部分はどう工夫していきたいですか?

「京介くんは、親の愛を十分に受けてこなくて、人の愛し方を分かっていませんでしたが、さっちゃんや紫乃に出会ったことによって、どんどん変わっていく生き方を自分なりに表現していきたいです」

――発表された時に自分とは真逆のキャラクターとコメントされていましたね。

「僕は、両親に子どもの頃から自分が好きなダンスをやらせてもらい、優しく厳しく愛を持って育ててもらったので、その愛を受けていないということがあまり分かりませんでした。なので、原作を何度も読んで自分の中にしっかり落とし込みました」

――逆に自分と京介が似ているなと思う瞬間はありましたか?

「周りに流されやすいところは共感できました。自分の中で心(しん)を持ってやっている時はありますが、皆に優しくして合わせてしまうところは似ているのかなと思います」

背中は奇麗に映るようにライティングにもこだわった

――演じてみて大変だった部分はありますか?

「インティマシーシーンは初めてだったので、自分はもちろん、相手を奇麗に映すにはどうしたらよいかなど見せ方に苦労しました。また、相手と対峙(たいじ)して本来なら感情的になってしまうところを冷静に受けなければいけないので、いかに感情を殺すかも大変でした」

――普段から筋トレをされているとのことですが、身体作りのバランスも難しかったのでは?

「京介くんはバキバキなイメージがあまりないので、筋肉が付きすぎないように程よくパンプアップをして挑みました。背中は、ライティングにもこだわって奇麗に映るように撮っているので、そこもぜひ見ていただきたいです」

――京介はクールな役どころですが、プライベートで役に引っ張られたりはしましたか?

「引きずられていますね。無意識にクールになってしまい、笑っているつもりでも普段より笑えていなかったり。最近FANTASTICSのメンバーから『笑顔がセクシー、ぬるっとしてきたね』と大人になっちゃったと言われました(笑)」

――共演者の方とは演技について話し合ったりしましたか?

「最初のキービジュアルを撮った時に『こういう感じですよね』とすり合わせて、本読みも熊坂出監督が率先してやってくださって、話し合いができたので最初から自信たっぷりに演じることができました」

――座長として、現場のムードなど意識していますか?

「最初は、座長として引っ張っていけるように意識していましたが、自然と周りの方が支えてくださって、気負わずに普段の僕でいるようにしています。同世代の演者の方も多いので、大学に行っている気分ですごく楽しいです。何よりスタッフさんが気さくな方が多く、この作品を一緒に作り上げていこうという団結力もあってすてきな現場です」

――原作を読んで衝撃だったシーンはありましたか?

「ページを開けた瞬間から、『おー!』とまさか1発目に?と衝撃がありました。さっちゃんのことはもちろん大好きですが、踏み入れたことのないところに一度踏み入れてしまったことで、こんなにもすさまじい破滅の道に進んでしまうのかと。ですが、京介くんにも彼なりの葛藤があり、嫌いにはなれない部分もあったりするので、一気に彼の世界観に引き込まれました」

――そんな原作から取り入れた部分はありますか?

「原作がしっかりしているので、どこをドラマで描いてどう忠実に再現したら良いかなど、やるからには原作を忠実にやりたいと思っていたので、監督とも密に話し合いながら進めています。京介くんの目に光が宿っていないところや、役作りをしすぎてもナチュラル感がなくなってしまうので、あえてそこは、原作の京介くんを少し入れるぐらいで、しゃべり方のトーンを普段より低くしたり、冷静な感じを意識して演じています。また、前髪を下していたり、髪形にも京介くんの感情が表れているので、お芝居はもちろん、容姿まで注目していただけたらより楽しんでもらえると思います」

FANTASTICSのメンバーからは「けいちゃんが主演!?」とびっくりされました

――京介の魅力はどんなところにあると思いますか?

「京介くんは、最初人の愛し方が分かりませんでしたが、さっちゃんや周りの環境によって徐々に前向きに変わっていくので、一番真っすぐな人なのかなと。また、人を好きになるということを自分なりに考えていく純粋さも魅力だと感じています」

――ここは見てほしいというシーンがあればお聞かせください。

「全部見ていただきたいです! 映像がワンシーンワンシーン短編映画を見ているかと思うぐらい奇麗ですし、雰囲気もすごくおしゃれになっています。強いて言えば、京介くんは周りとの向き合い方が最初と最後で全然違って、どんどん成長していくのでその姿も見守っていただけたらうれしいです」

――今回の主演が決まった時、FANTASTICSの他のメンバーからどんな反応がありましたか?

「このお話を頂いた時にまず、インティマシーシーンを撮っていた佐藤大樹くんに連絡をして、アドバイスを聞きました。他のメンバーからは『けいちゃんが!?』とびっくりされましたね。いよいよかと(笑)。八木勇征くんは、Instagramでも盛り上げてくれて、一番そばで応援してくれていたのですごくうれしかったです」

――最後に、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

「原作は4巻までで、ドラマも展開が早く見やすい作品になっています。後半になるにつれて京介くんがどんどん愛を知り、そこからどう動いていくのか見どころになっています。また、京介くんだけではなく、紫乃さんも夫の国木田要さん(桜田通)とのストーリーがあり、さっちゃんにも葛藤があったり。全員が身を削りながら本気で挑んだ作品となっていますので、一人一人のストーリーにも注目していただきたいです。自信を持って『見てください!』と言える作品になっているので、たくさんの方に届いたらうれしいです」

【プロフィール】

木村慧人(きむら けいと)
1999年8月16日生まれ。東京都出身。FANTASTICSのメンバーでパフォーマー、俳優として多岐にわたり活躍中。近年の出演作は、ドラマ「恋と弾丸」「飴色パラドックス」(ともにMBSほか)、「好きなオトコと別れたい」(テレビ東京系)、映画「HiGH&LOW THE WORST X」などがある。

【番組情報】

ドラマストリーム「さっちゃん、僕は。」
6月11日放送スタート
TBS系
火曜 午後11:56~深夜0:26
※一部地域を除く
※放送時間は変更になる場合があります
※Netflixにて6月4日から先行配信中

文/N・E(TBS担当)

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