伊藤ハム米久HD ギフト事業は未来への試金石 重要視する3つの理由

伊藤ハム米久ホールディングスの牛丸友幸常務は、5月30日に開催した24夏ギフト説明会で「ギフト事業の取り組みは未来への試金石」と語り、ギフト事業を重要視する3つの理由を挙げた。

商品では、主力の「伝承」ブランドの単品でハムの厚さ8㎜の食べ応えある「特選ロースハムステーキ70g」を新発売するなど、価格帯別の商品内容の差異化を明確にする。

同社は23年度歳暮期に、主力の「伝承」ブランドでは初めて3千500円と4千500円の価格帯商品を投入したが、定番品との「内容の差異が小さかった」(同社)との課題を踏まえ、今中元の3千500円、4千500円のセットは、夏場のバーベキューにも好適な新商品「特選ロースハムステーキ70g」に、さらにブロックタイプ商品を組み入れた「ブロック&スライスセット」として発売し、「分かりやすい商品構成」(同)で臨む。

その他ブランドでは、「肉の匠いとう」から新調理品ギフト「牛肉しぐれ煮」を各種発売するほか、大阪発祥の人気うどん店「つるとんたん」とのコラボギフトも発売する。

牛丸常務の話

牛丸友幸常務

当社がギフト事業を重要視する理由は3つある。一つ目は季節の節目に感謝の思いを伝える日本で大切にされてきた重要な文化であること。加工肉ギフトのリーディングカンパニーとして、この文化を未来へ伝承していくことを使命としている。

二つ目は、ギフト事業の取り組みは、ギフトに限らず国内食品事業の未来への試金石になるとの思いがある。国内は人口減・少子高齢化が進み、どの企業も対応が問われている。ギフト市場は贈答者の年齢層が高く、日本の環境変化以上に急激に変化している。ここでどう対応していくかはギフト以外の事業にも通じるものがある。

三つ目は、企業・商品ブランドの認知育成の場としても重要。ギフトは特性上、贈る側、贈られる側双方から喜ばれることが重要。ここで培ったブランド価値は、ギフトの枠を超えて企業の財産となり、結果的に企業ブランドの価値向上につながっていく。

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