横浜・鶴見女子大生殺害 23歳の元交際相手が起訴内容認める、地裁初公判

横浜地裁

 横浜市鶴見区のマンションで昨年6月、住人の大学1年の女性(18)を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた元交際相手で同区の配送業の男の被告(23)の裁判員裁判初公判が10日、横浜地裁(西野吾一裁判長)であった。起訴内容に間違いがないか問われた被告は「ないです」と認めた。判決は21日に言い渡される。

 検察側は冒頭陳述で、2人は2021年3月ごろに交際を開始して以降、被告の暴力が原因で別れたり復縁したりすることが複数回あったと指摘。被告が事件前日にもアルバイト先に押しかけるなどして復縁を求めたものの断られたことで「包丁で脅せば復縁に応じてもらえるかもしれない、だめなら殺そうと考えた」と説明した。その上で、殺意の強さや犯行の計画性、悪質性を強調した。

 弁護側は「被告は女性と仲直りしたいと伝えたが別れを告げられ、ぼうぜん自失となった。人生の全てをささげたのに全てを失ったと思い、犯行に至った」と主張。殺人は突発的だったほか、背景には被告の発達障害があり、現在は真摯(しんし)に反省しているなどとした。

 横浜地検は昨年7月、被告について、殺人のほか窃盗、横領、住居侵入、銃刀法違反の罪で起訴。起訴状などによると、被告は同年6月29日、女性が紛失した鍵を横領して居室に侵入したほか、同区内の店舗で包丁1本(販売価格4158円)を窃取。マンション敷地内で女性の首や胸などを盗んだ包丁で4回刺して殺害した、などとされる。

 県警によると、2人の交際を巡っては、トラブルなどで県警が仲裁に入った事案が21年10月~23年6月の間に計4回あった。

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