ルックバック~6月10日 「森永ミルクキャラメル」発売

過去の出来事にスポットライトを当てて、その日についてちょこっと知れる「ルックバック」デイズ・シリーズ。今回は6月10日にフォーカスしてみます。

6月10日は、1913年(大正2年)6月10日に森永製菓が「森永ミルクキャラメル」を発売したことにちなんで、2000年3月に「ミルクキャラメルの日」に制定されています。森永製菓は1899年に創業して以来、キャラメルを販売。当初はパッケージに「ミルクキヤラメル」と書かれていましたが、6月10日に「ミルクキャラメル」と商品名が変更したことも、ミルクキャラメルの日の制定の由来の一つだそうです。

1953年8月28日に日本で初めて民間放送テレビ局となった日本テレビが開局すると、開局同日に森永製菓のテレビCMがオンエアされました。CMソングには、中村メイコ、灰田勝彦、古賀さと子、宮城まり子、三木鶏郎が歌う「やっぱり森永ネ」が用いられ、これが日本のテレビCM(シンギング・コマーシャル)ソング第1号とされています。同曲は『コマソン〈黄金時代〉懐かしのTV-CM大全集(1954~1961)』や『オリジナル版 懐かしのCMソング大全(1)』『オリジナル版懐かしのTV-CM大全集』などのコンピレーション・アルバムで聴くことができます。

「やっぱり森永ネ」の作詞・作曲を手掛けた三木鶏郎は、日本初の放送(ラジオ)におけるコマーシャル・ソングのひとつとされる、小西六写真工業(現・コニカミノルタ) の「僕はアマチュア・カメラマン」(歌は灰田勝彦)をはじめ、藤山一郎が歌ったいすゞ自動車「晴れた青空に(いすゞの唄)」、ボニージャックスらが歌ったトヨタ自動車「クラウン」の「クラウン賛歌」、日産自動車は「ダットサン」の「僕の彼女はダットサン」や「ブルーバード」の「ブルーバードの唄」などから、日清食品「チキンラーメンの歌」、“ワ・ワ・ワとワが三つ”のフレーズで知られるミツワ石鹸、ドラマ『ナショナル劇場』のオープニングにもなった松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)の「明るいナショナル」、スリー・グレイセスが歌ったキリン「キリンレモンのうた」など、テレビ草創期から数多くのCMソングを手掛けています。また、ディズニーアニメで初の日本語版音楽監督を務めたことでも知られています。

その後、森永のテレビCMでは、2010年に女優の杏が歌う槇原敬之「どんなときも。」のカヴァー曲を起用。翌年からは槇原のセルフカヴァー「どんなときも。~キャラメルver.~」がCMソングとしてオンエアされました。杏ヴァージョンの「どんなときも。」は、2010年にリリースしたミュージシャン・デビュー・ミニ・アルバム『LIGHTS』(写真)に、槇原のセルフカヴァー・ヴァージョンは、2012年に自主レーベル〈Buppu Label〉からのシングル第2弾となった「恋する心達のために」に、それぞれ収録されています。

© 株式会社シーディージャーナル