青森なのにイギリス?半世紀以上愛される「ふわジャリ」なご当地パン!イギリストースト(青森土産)

青森県内のほぼすべてのスーパーやコンビニで販売されている「イギリストースト」というパンがあります。
わざわざ青森まで行って爆買いする芸能人もいるというこの「イギリストースト」、じつは50年以上も売れ続けているロングランヒット商品でもあります。

今回は、東北在住経験があり東北地方の180市町村を回ったことがあるサンキュ!STYLEライターの植松愛実が、青森に行ったらぜひ買いたいご当地パンの覇者「イギリストースト」をご紹介します!

青森なのにイギリス、焼いていないのにトースト

「イギリストースト」は、薄切りの山型食パン2枚にマーガリンとグラニュー糖がサンドされた、シンプルな商品。
青森市内に戦前からある「工藤パン」という、パンとお菓子のメーカーがつくっていて、店舗にもよりますが1袋だいたい税込み150円くらいで販売されています。

山型の食パン(断面が四角ではなくて、上端が丸くなっている)のことを「イギリス食パン」と呼ぶことがあるため、このように名づけられたとか。
また、じつはこの商品、食パンでサンドしているだけでトーストされていないのですが、「トースターで焼いて食べてもおいしいよ」ということで商品名に「トースト」が入っているそうです(諸説あります)。

「ふわジャリ」食感がたまらない!50年以上愛されつづける秘密

食パンでマーガリンとグラニュー糖をはさんだだけの商品なんて、どこにでもあるでしょ?と思われるかもしれませんが、シンプルな製法のなかに数えきれないほどのこだわりがあって、半世紀以上も愛されるソウルフードになっているのです。

たとえば、ふわふわの食感を維持するため、食パンが焼きあがってから最短スピードで加工へ。
また、絶妙な食べごこちを実現するために食パンの厚みを試行錯誤し、カットは8枚切りと9枚切りの中間くらいの独自の厚さ。
おまけにマーガリンは特注品で、サンドする工程は今も手作業です。

とにかくお客さんにおいしいものを届けたい!という思いが実り、発売から50年以上経つ今も青森県で一番売れているパン。
ひとくち噛んだら食パンのふんわり感の直後にグラニュー糖のジャリッとした甘さがやってきて、何個でも食べたくなってしまう唯一無二の「ふわジャリ」食感です。

もちろん焼いてもおいしい!全300種類以上

「イギリストースト」は前述のように焼いてもおいしいので、お土産として持って帰った際はぜひトーストするのも試してみてください。

また、「イギリストースト」にはチョコスプレーやこしあん入り、さらには東北の郷土菓子である南部せんべい入りなど毎月のようにさまざまなバリエーションが発売されていて、その数なんと歴代で300種類以上。
なかにはグラニュー糖のジャリジャリ感を50%増しにした「もっとジャリまし」という「スペシャルイギリストースト」なる商品まであります。

製造元の「工藤パン」のホームページにも商品情報があるので参考にしてください。

「工藤パン」商品情報ページ

観光も魅力的!ほかではできない体験が満載の青森県

観光施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」(青森市)には過去に受賞した「ねぶた」が展示され、まつり期間中以外でも「ねぶた」が体感できる。

青森県には有名どころから穴場まで数多くの魅力的な観光地があります。

たとえばJR青森駅からすぐのところには、毎年8月に国内外から100万人以上が訪れる「青森ねぶた祭」を1年中体感できる施設「ワ・ラッセ」があるほか、かつて青函連絡船として活躍した船「八甲田丸」を残した海上博物館や、りんごスイーツから短角牛バーガーまでありとあらゆる青森県産品が集まる「A-FACTORY(エーファクトリー)」もあります。

弘前城(弘前市)は2024年現在、約100年ぶりに行われている石垣の大規模修復の最終盤で、今しか見られない姿に出会える。

また、青森市よりも西側、津軽(つがる)地方には、現存十二天守のひとつ弘前城(ひろさきじょう)や、世界自然遺産・白神山地のブナ林に囲まれた不思議な青い池などの絶景スポットも。
東側には日本最大級といわれ毎週日曜日の朝に約300店舗が並ぶ「館鼻(たてはな)岸壁朝市」や日本三大霊場のひとつ「恐山(おそれざん)」、清流と緑に癒される「奥入瀬(おいらせ)渓流」もあって、目移りしそうなくらいです。

奥入瀬渓流(十和田市)には、子どもやお年寄りでも散策しやすいハイキングコースのほか、レンタサイクルも。

四季折々の美しさも魅力で、春は弘前城で約2,600本の桜が咲きみだれ、夏には白神や奥入瀬の緑が輝き、秋には十和田湖(とわだこ)など各地で紅葉の大パノラマを楽しめます。
冬にはかつて5mを超える積雪を記録した酸ヶ湯(すかゆ)温泉で、160畳もの広さを誇る総ヒバづくりの「ヒバ千人風呂」が心と体を温めてくれます。

青森市内だけでコンパクトに観光してもよし、そして2~3泊して県全土にひろがる個性的な観光地をまわってもよし。
もちろん海の幸も山の幸も絶品で、大人も子どもも忘れられない体験ができる場所です。

鶴亀屋食堂(青森市)の名物マグロ丼。近くには「ねぶた」のお囃子にあわせたイルカショーが人気の「浅虫(あさむし)水族館」もある。

青森のソウルフード「イギリストースト」を手に入れよう!

「イギリストースト」は冒頭で書いたとおり、青森県内のほぼすべてのスーパーやコンビニに置かれています。

また、青森以外の東北5県でも(青森県内とくらべ数は少ないですが)販売されているので、新幹線の駅構内などで探すと見つかるかもしれません。
さらに東京都内にある青森県のアンテナショップでも一部取り扱いがありますが、パンという賞味期限の短い商品の性質上、入荷日が限定されていることが多いため、見つけたらラッキーです。

魅惑の食べ物と観光地が迎えてくれる、本州最北端の地・青森県。
ぜひ現地を訪れて、ほかでは体験できないワクワクする時間をすごしてください。

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◆この記事を書いたのは・・・サンキュ!STYLEライター植松愛実
身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士、通訳案内士など保有資格多数。

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