秋田中央高等学校、学力テストで測れない生徒の「資質・能力」を客観的に測るツール「Ai GROW」を有償導入

Institution for a Global Societyは、従来の学力テストでは測れない生徒の「資質・能力」をAIの活用で客観的に可視化する「Ai GROW(アイ・グロー)」が、秋田県立秋田中央高等学校に秋田県初の事例として有償導入されたことを、6月7日に発表した。6月13日には高校1年生210名が「Ai GROW」を受検する。

同校は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校となって12年目(第Ⅲ期2年目)を迎える。SSHは、先進的な理数系教育や文理融合領域に関する研究開発を行う高校を、文部科学省が指定して原則5年間支援するもの。同校は「探究する学校づくり」に向けてSSHの対象を全生徒とし、全教科にわたって生徒たちが課題意識を持ちながら社会課題を掘り起こし、解決しようとする機会を与えることを目指している。

具体的には、秋田県立大学との「研究室インターンシップ」や、秋田県内のすべての高校に呼びかけた「秋田県 高校生探究発表会」の開催、各種大会・コンテストへの参加(2023年度は7件)をはじめとした、さまざまな独自の教育施策を行っている。これらの取り組みを通して、生徒の「課題発見能力」「課題探究能力」「多様な発信力」の育成を図っている。

「課題発見能力」「課題探究能力」「多様な発信力」には「非認知能力」に含まれる。「非認知能力」は、現代の不確実で変化の速い時代を生き抜き、幸せな人生を切り拓くために必要な力と言われている。一方で「非認知能力」は、正解を問う従来の学力テストに比べ評価基準が曖昧になりやすく、多様な能力を含むため測定が難しいとされてきた。そのため、教育現場でも教員が生徒一人ひとりの能力を正確に把握することの負荷が高いことが課題とされている。

同校でも、SSHの教育効果を検証するために「課題発見能力」「課題探究能力」「多様な発信力」の能力測定を客観的に行う方法を模索する中で、生徒や職員へのアンケート調査結果の分析や他社の外部指標を活用するなどを試みるも、客観性や運用面での使いづらさなどの課題があった。

そこで昨年度、補助金利用により非認知能力を中心とした多様な能力を客観的に測るIGSのツール「Ai GROW」をトライアル導入し、課題解決の実感を得てこの度の有償導入につながった。

同社は「Ai GROW」をリリースして以来、国内外の小学校・中学校・高等学校350校以上への導入を進めてきたが、この度の秋田県への導入で43都道府県目となる。なお、同県では秋田中央高等学校と同じSSH指定校である横手高等学校への導入も決まっている。

© 株式会社翔泳社