角田裕毅の2025年シーズンF1継続参戦が決定、表彰台が目前に!?

2024年6月9日、F1世界選手権に参戦している角田裕毅(つのだゆうき)が2025年シーズンも継続参戦することが明らかになった。引き続き、VISA Cash App RB Formula One Team(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラ・ワン・チーム以下、RB)から参戦する。今シーズンもまだ半ば、第9戦カナダGPが開催される中での異例の発表となった。

予選決勝でトップ10入りの常連に

RBでF1グランプリ4年目のシーズンを送っている角田裕毅が、今シーズン、好調な走りを見せている。第8戦終了時点で、予選Q3進出6回、決勝でのトップ10フィニッシュ5回を記録。直近の3レースでは、予選10位-7位-8位、決勝7位-10位-8位と、予選決勝でトップ10入りの常連となっており、その切れた走りが関係者から注目を集めている。

チームの調子も上々。予選Q3進出、決勝ポイント獲得はもはや当たり前。表彰台が視野に入ってきた。

とくに素晴らしいのが、チームメイトのダニエル・リカルドを凌駕する結果を出し続けていること。ダニエル・リカルドは通算5勝、表彰台32回を誇るドライバーであり、その彼に勝る速さを見せていることから、いまやトップチームからも恐れられる存在になりつつある。また、レッドブルレーシングのセルジオ・ペレスが最近どうも調子が上がらないことから、「レッドブルへの昇格」も噂されていた。

そんな中での突然の「RBとの契約更改」は、角田の実力が認められた証であり、RBが角田の他チームへの移籍を恐れたということだろう。

2024年F1ドライバーズランキング(第8戦終了時)

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 169
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)138
3位 4 L.ノリス(マクラーレン)113
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)108
5位 11 S.ペレス(レッドブル)107
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)71
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)54
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス)42
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)33
10位 22 角田裕毅(RB)19

■角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラ・ワン・チーム)

「2025年もホンダ RBPTのパワーユニットを搭載するVisa Cash App RB Formula One TeamからF1に参戦すつことになりました。長年にわたるレッドブルとホンダの大きなプロジェクトのラストイヤーに自分が関われることを非常に楽しみにしています。F1ドライバーとしてさらに成長し、より多くのポイントを獲得して表彰台や優勝を目指していきますので、チームとホンダ、そして皆様とともに、素晴らしいシーズンにしたいと思います。今後も応援、よろしくお願いします!」

車両規則大幅改定を前にトップドライバーの争奪戦も

F1グランプリは2026年シーズンから車両規則が大きく変更されることが決まっており、来季2025年シーズンまではほぼ現状のレギュレーションで行われることになっている。

マシンを壊すことなく、攻めるべきとことは攻めるドライビングはチームからの信頼も厚い。

そのため開発の現場ではすでに新しい車両規則の下で熾烈な競争が始まっているが、レースの現場では開発の進んだ成熟したマシンで拮抗した戦いが繰り広げられている。

こうした中、2026年シーズン以降もふまえたドライバーズ獲得争いも進んでいて、すでにルイス・ハミルトンの2025年からのフェラーリ移籍、ニコ・ヒュルケンベルグの2025年からのザウバー(2026年からは実質アウディ)移籍が発表されている。

ちなみに、ホンダは2026年からアストンマーティンにパワートレーンを供給することになっている。

F1参戦4年目、トップを狙えるドライバーに成長

角田裕毅はホンダの育成プログラム出身で、国内のFIA F4日本選手権でチャンピオンを獲得して渡欧、17歳でレッドブルジュニアチーム入りを果たすと、2020年にFIA F2選手でシリーズ3位を獲得してスーパーライセンスを取得。2021年シーズンからF1への参戦を開始し、2021年第22戦アブダビGPで自身最高位となる4位を獲得して注目を集めた。

4年目となる今シーズンは第8戦モナコGP終了時点で5度入賞し、選手権ではトップ5チームの一角を崩し10位につけている。

角田はその後も着実にF1で経験を重ね、F1グランプリ4年目の今シーズンのドライバーズランキングでは10位(第8戦モナコグランプリ終了時点)となっている。

角田が引き続きホンダが技術支援を行うパワーユニットを搭載したマシンを駆り世界最高峰の舞台で走ることは、ホンダにとっても大きな意味を持つことになりそうだ。

■ホンダ・レーシング(HRC)渡辺康治 代表取締役社長

「角田選手のF1参戦継続決定、大変うれしく思います。世界最高峰レースのし烈な戦いの中、天性の速さに加え、着実に安定感と存在感を増している角田選手の姿は、世界中の多くの人々に夢と勇気を届けてくれています。これからもホンダの育成プログラム出身ドライバーとして、そして日本を代表するドライバーとして世界の舞台で活躍する選手であり続けることを期待しています。HRCとしてのRBへの技術サポートを含め、ホンダはこれからも角田選手の成長と活躍を応援していきます」

■角田裕毅選手のプロフィール

生年月日:2000年5月11日生まれ
出身地:神奈川県相模原市
レーシングキャリア
2016年:鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)卒業
2017年:JAF-F4 東日本チャンピオン/FIA F4日本選手権 3位
2018年:FIA F4日本選手権 チャンピオン
2019年:FIA F3選手権 シリーズ 9位(1勝/表彰台3回)
2020年:FIA F2選手権 シリーズ 3位(3勝/表彰台7回/PP4回)
2021年:F1世界選手権 年間ドライバーズランキング14位(最高位4位)
2022年:F1世界選手権 年間ドライバーズランキング17位(最高位7位)
2023年:F1世界選手権 年間ドライバーズランキング14位(最高位8位)

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