ちょっとさえない日常を短歌とエッセイでつづった心に効く一冊

読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』

歌人芸人の岡本雄矢が「小さな不幸に見舞われる日々」を短歌とエッセイでつづります。ちょっと憂鬱な朝やさえない気分の時にオススメです。

全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割
著者:岡本雄矢
出版社:幻冬舎

「あの数ある自転車の中でただ1台倒れているのがそう僕のです」「ネクタイの前後の長さが合わなくて靴紐も緩いような気がして」

著者はなぜか小さな不幸に見舞われやすいのだという。日常はままならないことばかり。確かにいいことが続くなんてほとんどないのが現実なのかもしれない。ついてないなあ、アンラッキーだなあ、がっかりしちゃうなあ。そんな気分になることの繰り返し。

105首の短歌とエッセイを収めた本書。コンビ「スキンヘッドカメラ」で活動中の歌人芸人である著者が、テンションが下がり気味な毎日をフリースタイルの短歌を通して描きます。

「スパゲッティがパスタになってバイキングがビュッフェになっても僕ずっと僕」つらい目に遭っても遭わなくても日々はどんどん過ぎていく。目まぐるしく変化していく世界で、全然変わらない自分となんとか変わろうとしている自分がいて、そのせめぎあいのなかでこの独特な短歌が生まれるような気がします。

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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