九産大、先制の特大弾がチームに勢い 「嫌な気持ちがあった」福岡大との福岡対決制し、6年ぶりの初戦突破【全日本大学野球選手権】

2回無死、左越えに先制ソロを放つ九産大・北村(撮影・安藤由華)

◆第73回全日本大学野球選手権1回戦 九産大5―3福岡大(10日、東京ドーム)

九産大(福岡六大学)が9安打で5点を挙げ、福岡大(九州六大学)を破った。初戦突破は4強に進出した2018年の67回大会以来。

目の覚めるような特大アーチが東京ドームの左翼席上段に突き刺さった。2回の先頭打者、5番北村健一郎(3年・有田工)は「昨日の練習から最初の打席は初球だけを狙おうと意識していた」。その初球、真ん中高めの速球を鋭く振り抜いた打球は「うまくはまった。完璧な当たりだった」と振り返る先制ソロ。会心の放物線の余韻を楽しむように右手を挙げながらダイヤモンドを一周した。

全国大会初戦での福岡勢対決。大久保哲也監督は「オープン戦ではここずっと勝ってきたが、公式戦は嫌な気持ちがあった」と明かす。それだけに「あのホームランは大きかった。チームに勢いをつけてくれた」と手放しで喜んだ。

プロ注目の1番浦田俊輔(4年・海星)が3安打するなど打線は活発。エースの水崎康平投手(3年・沖学園)も6回を4安打無失点に抑えて勝利に貢献した。大久保監督は「一つ一つに集中して勝っていくだけです」と6年前の4強越えを目標に掲げる。(安田栄治)

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