家に眠るユニホームをもう一度、スタジアムへ J1アビスパ福岡が〝リサイクル〟、高齢者や不登校生に提供し広げる応援の輪

サポーターから提供を受けたユニホームやタオルマフラーを掲げるネクスウェイブの社員

家に眠っているユニホームをもう一度、スタジアムへ―。J1アビスパ福岡と福岡市の企業がタッグを組み、過去にサポーターが着ていた応援グッズを回収し、高齢者福祉施設や不登校の児童生徒に届ける活動を始めた。ホームゲームに無料招待し、着用して応援してもらうことでファン層を広げていく狙いもある。

Jリーグクラブが市民や企業などと連携して社会課題の解決に取り組む「シャレン!」(社会連携)活動の一環。プロサッカーの試合では選手と同じユニホームを着て応援するのがおなじみの光景だが、熱心なサポーターはデザインが変わるたびに購入し、古いタイプは自宅に保管されていたことが多いようだ。

クラブと「シャレン!」に取り組もうとしていた不動産会社のネクスウェイブ(福岡市中央区)がそこに着目。「ユニの輪チャレンジ」と題し、資源循環の輪、高齢者や不登校の児童生徒を孤立させない社会の輪、新しいサポーターの輪をつくることを目標にプランを立てた。

自らもサッカーファンである同社の横尾将也さん(22)は「趣旨に賛同して協力をしたいという多くの声をいただいた。ユニホームを寄付される方の思いを無駄にしないような活動にしたい」と意気込んでいる。

集めているのはアビスパのユニホームとタオルマフラー。ホームのベスト電器スタジアム(福岡市博多区)で行われる16日の鳥栖戦、26日の横浜M戦などで回収する。アビスパ福岡で事業を担当する久保田歩さん(27)は「ユニホームに新しい価値がつくような活動にしたい」と提供を呼びかける。
(向吉三郎)

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