出生率トップ維持の町の秘訣-幼児教育無償化など「街の住みここちランキング」で県内1位に【新潟】

子育てしやすい?聖籠町

今月、厚生労働省が発表した女性1人が生涯に産むこどもの推定人数は、全国・県内とも過去最少となりました。一方、県内で比較的高い数値を保っている町があります。その支援策と、これから出産を控えるお母さんたちが求める支援を聞きました。

新潟市秋葉区の新潟レディースライフクリニックには、出産を控えたお母さん達が訪れていました。
■西区・第2子を妊娠の妊婦さん(20代)
「7カ月です。2人目です。」
■江南区・妊婦さん(30代)
「とにかく高齢(出産)が不安で、子育てとかも体力が必要なんで大丈夫かなっていうのがあります。」

厚生労働省が今月発表した2023年の人口動態統計では、女性一人が生涯に産む子供の推定人数「合計特殊出生率」は全国は1.20、新潟は1.23です。ともに過去最少で、県内は13年連続で更新しています。
■西区・第2子を妊娠の妊婦さん(20代)
「(Q.もう一人考えていますか?)にぎやかになる分にはいいなと思うけど、お金の面でもやっぱりそこまではあれかな、2人で十分かなって。」
■江南区・妊婦さん(30代)
「できれば2人欲しいんですけど、どうかなって。年齢的にとか仕事に復帰するのかどうしようかとか、つくるタイミングとか、悩んでいる感じです。」

国や行政は、子育て世帯の負担軽減などに取り組んでいます、これからお母さんたちが望む支援は...
■西区・第2子を妊娠の妊婦さん(20代)
「分娩費用とかも結構値上がりしていて、それなりに補助金を出してもらえばありがたい。」
■江南区・妊婦さん(30代)
「生まれて終わりじゃなくて、その後やっぱり18歳とか20歳とかまで育てていかなきゃいけないっていうところで教育費が一番心配なので…。」

2021年の合計特殊出生率が2.09と、県内で唯一2%を超えた聖籠町。
■岡拓哉アナウンサー
「全国的に少子化傾向が続く中、子育てしやすい町として注目されているのが聖籠町です。これまで、県内でもトップクラスの出生率を維持しています。」

5月末、大手不動産会社が発表した「街の住みここちランキング」で県内1位に輝きました。
■聖籠町総合政策課 小林幸宏課長補佐
「国に先駆けて幼稚園保育料を無償化した。そこで評価していただいて聖籠町に住んでもらえた人もいるのかなと。」

2005年から幼児教育を無償化。2022年には、幼稚園3つ、保育園4つという体制を大幅に再編し、認定こども園を4つ新設しました。
■聖籠町子ども教育課 阿部紗也佳係長
「いままでは幼稚園と保育園で、小さい子は保育園で、3歳児以上は幼稚園に引っ越しをしてという状況だった。それが0歳児から5歳児まで一緒の施設であずかれるので、兄弟の送り迎えなどが容易になった。」

2024年4月からは、0歳から2歳児の保育料を半額補助。また、第3子の保育料や給食費は無償となっていて、多子世帯への支援も拡充しています。まさに、子育てしやすい街づくりを推進しています。
■2児の母
「(Q.半額になるとどのくらい安くなる?)毎月4000円ちょっと。経済的にもすごく助かっている。」
■3児の父
「聖籠町以外のところからも結婚などで聖籠町をあえて選ぶということも聞く。行政が色んなことを考えてくれていて、子どものために住みやすいと感じる。」

こちらの認定こども園では、0歳から5歳まで180人の子どもを預かっています。登園の様子を見ると、2人以上の子どもを連れた親がほとんどです。
■3児の母
「本当に子だくさんが多い家庭が多い。住宅街を見ていると子どもたちがいっぱい外で遊んでいる。」
■聖籠町総合政策課 小林幸宏課長補佐
「財政的なものに関しては東港に立地する企業が多いので、そこからの税収もある。その部分を子育てに回せたところもある。」

聖籠町は、来年度からさらに保育園を増やすことが決まっているほか、日曜保育の実施も検討しています。また、住宅の取得に対しても最大180万円を補助し、移住や定住促進にも力を入れていて、子育て支援と合わせて人口減少対策を打ち出しています。

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