作業の効率化でコスト削減に期待 ドローンとAIの技術を使い洋上風力発電設備のテスト点検 秋田

秋田朝日放送

ドローンとAIの技術を使って洋上風力発電設備のテスト点検が10日秋田市で行われました。作業の効率化でメンテナンスコスト削減に期待がかかります。

風速3.5メートルの中離陸したドローンは、海面から約90メートルの高さでゆっくりと洋上風車に近づき基体周囲の画像データを集めていきます。日本や海外でドローンやAIの技術展開をサポートしているDshift(ディーシフト)が秋田港でドローンとAIを活用した洋上風力発電設備点検の実証を行いました。

10日はブレードと呼ばれる風車の羽根の部分に絞って点検が行われ、風車から30メートル離れた周回飛行と、10メートルの距離をブレードに沿って飛ぶ、フォロー飛行で実証します。現在は落雷を受けてできるブレードのひび割れやコーティング塗装の剥がれは作業員がロープでぶら下がったり、船の上から望遠鏡で確認しています。点検作業にドローンをつかうことで風車を止めずに点検することもでき、電力の安定供給や作業時間の短縮に期待が高まっています。ドローンが撮影した数百枚の写真はAIが解析し、約10分で風車の損傷部分を抽出します。現時点でのAI解析の精度は96%を誇り、作業員のスキルに偏らず一定のジャッジが可能というメリットもあります。

10日の実証実験では1.3メートルの大きさのバッテリー式のドローンが使われましたが、実際の点検作業では2メートルの大きさでバッテリーを積んだハイブリッド型のドローンが使われます。ハイブリッド型のドローンは、約3時間稼働することができ、一般海域まで飛行して3〜4基の風車を一度に点検することができます。ドローンによる点検は陸上風車ではすでに導入されていますが、洋上風車での導入はこれからの予定です。

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