ジュリー氏が近く旧ジャニ関連会社の代表退任も…「院政」の懸念消えないワケ

旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の元社長・藤島ジュリー景子氏が、関連会社3社の代表を近く退任することが明らかになった。だが、それでもなお「ジュリー氏の院政」を危惧する声が上がっているようだ。

故ジャニー喜多川氏から事務所を引き継いだジュリー氏は、ジャニーズ性加害問題で「創業者一族が絶大な権力を握る同族経営」が事件の要因になったと指摘されたことを受け、昨年9月に事務所の社長を辞任。さらに「今後すべての関係会社から代表取締役を降りる」と表明した。

しかし、ジュリー氏は現在も複数の旧ジャニーズ関連会社の代表にとどまっていることが判明。NHKは性加害問題の被害補償などに一定の進展があるまで、旧ジャニーズタレントの受け皿となったSTARTO ENTERTAINMENTの所属タレントの起用見送りを宣言しているが、5月22日の定例会見で問題点の一つとして「ジュリー氏がグループ会社の代表を続けていること」が挙げられた。

SMILE-UP.側は「いずれも経営に携わっているということはありません」としているが、ジュリー氏が関連会社に残っている限り、NHKは旧会社および創業家の影響が新会社(STARTO社)に及んでいる可能性があると判断し、タレントの起用見送りを継続するだろう。

そうした背景やタイミングを鑑みて、NHKの指摘を受けたことで、ジュリー氏が近く関連会社代表を退任する意向だと公表されたとみる向きがあるようだ。

いずれにしても、関連会社からジュリー氏の名前が消えれば、旧ジャニーズ創業家の影響力はなくなっていくのではないかと期待できそうだ。

しかし、同時期に気になる動きがあった。6月5日にSMILE-UP.が性犯罪被害者の支援環境の整備や災害時の復興支援などの社会貢献活動を行う一般社団法人「Mindful(マインドフル)」を設立したと発表し、社員にジュリー氏の名前があったのだ。

ジュリー氏が代表取締役に残っているSMILE-UP.は、補償業務の終了後に消滅することが決定している。関連会社の代表からも辞任すれば、ジュリー氏の影響力は完全に消えることになるとみられていた。そのため、新たに設立した社団法人にジュリー氏が社員として入ったのは「何らかの布石ではないか」とも推察されているようだ。

「Mindful」の代表理事は元ユニゾン取締役の浅沼久美子氏が務めているが、ユニゾンは旧ジャニーズタレントのCMキャスティングなどを手がけていた会社で、かつてはジュリー氏が代表を務めていた。それ以外の理事や監事もSMILE-UP.の元社外取締役など、ジュリー氏にとっての「身内」で固められている。そうした中で、経済的にはまったく困っていないであろうジュリー氏が平社員として「Mindful」入りしたのは意味深で、さまざまな憶測が広がっている。

ジュリー氏が旧ジャニーズの代表を辞任した時から「院政が敷かれるのでは」と危惧されていたが、その可能性は微妙に残っているようだ。どんな事情であれ、本当に性加害問題を深刻に捉えているのなら関連する会社・団体に名前を残さず、完全に身を引いた方がいいという指摘もあるが、はたしてジュリー氏にはどんな思惑があるのだろうか。

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