福島核汚染水海洋放出で厳格・独立・有効国際監督を 中国主張

 中国国際原子力機関〈IAEA〉常駐代表の李松・大使は7日、IAEA理事会で発言し、福島核汚染水海洋放出問題に対する中国の立場と主張について一段と踏み込んで説明し、厳格で独立した、有効な長期的国際監督の実施を主張すると強調した。

 李氏は次のように表明した。福島核汚染水海洋放出問題は国際社会から高い関心を呼び、隣国の人々の強い懸念と反対の声が消えない。今週のIAEA理事会期間に日本は6回目の放出を行っている。強調しなければならない点は放出を続けるほど、道義的責任から逃れられなくなるということだ。日本はさまざまに弁解し、いわゆる「処理水」の安全性を強調しているが、これまでのところ浄化装置の長期的信頼性、現行の監視の全面的有効性、環境への影響の不確実性などの懸念について人々が納得する説明をしていない。東京電力は誠実さに欠け、管理が混乱し、事故が頻発し、日本政府の監督管理が不十分で、長期的国際監督監視の仕組みを設ける重要性と緊急性が一段と示されている。

 李氏は次のように指摘した。昨年から中国は海洋環境や人類の健康、中国国民に対し高度に責任を負うという立場を出発点とし、旗幟鮮明に長期国際監督監視の仕組みの確立を主張している。核汚染水の放出が海洋環境と人類の健康に長期的脅威となり、損なわれることのないようにするためだ。こうした国際的監督は日本政府の監督管理責任や日本の原子力発電所運営部門の監視責任に代わるものではなく、この点を踏まえ、日本に対し厳格、独立、有効な国際的監督を実施し、完全かつ有効で長期的に信頼できる国際的監督監視にしなければならない。こうしてはじめて福島原発事故と核汚染水海洋放出による原子力・原発に対する深刻な懸念、誤解、パニックを根本的に是正でき、中国を含む重要利害関係国の深刻な懸念を有効に解消できる。こうした仕組みはIAEAの国際原子力分野における権威ある地位と役割を一段と強化することに役立ち、日本と日本人民の根本的利益にも合致している。

 李氏は次のように表明した。中国は科学的で責任ある態度で日本に対する長期的国際監督監視を積極的に支持し、また実情、ニーズと結びつけ、国際監視の一層の強化をめぐって、日本との政治レベル、専門家レベルの意思疎通を進めている。双方は建設的態度で協議・交渉を通じ、問題解決の適切な道を見つけることで合意した。中国は日本が一段と誠意と建設的な態度で、国内外の正当で合理的懸念に真剣に向き合い、自らの責任と義務を確実に果たし、中国やIAEA、国際社会とともに、一段と有効な監視措置を形成し、福島核汚染水の海洋放出が海洋と人類に長期的危害をもたらさないようにすることを希望する。〔ウィーン6月7日発新華社=中国通信〕

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