貯金5でセ・リーグ首位を走る広島。投高打低が浮き彫りとなっているシーズンで、先々を見据えてケアしなければならないのが、快進撃を支えている投手陣だ。
開幕から先発ローテーションを守る床田は10日までにリーグ4位の70回2/3を投げ、救援の島内は同1位タイの29試合に登板し、すでに昨季を上回るペースでフル稼働している。それだけに、気になるのが2人のような主戦投手の「休ませ時」だ。
昨季日本一の阪神では、MVPを獲得した村上らを交流戦後の試合のない期間を利用し、リフレッシュを目的に抹消して残りの公式戦とポストシーズンの長丁場を完走させた。各球団ともに投手陣のマネジメントは腐心のしどころだ。
広島の場合はどうか。「(休養目的の抹消は)考えてない」という新井貴浩監督(47)は「トレーナーも常に状態チェックして『大丈夫です』と報告してくれているし、本人たちも私に『大丈夫。いけます』と言ってくれているのでね」と明かす。さらに「床田ならイニング数、島内なら登板数と彼らはそういったものに、すごくやりがいを感じてくれていて。そういったモチベーションを、逆に(起用する側の)こちらが奪ってはいけないと考えている。もちろん、こちらが『ストップをかけないと』と判断した時は、そうするけどね」と補足した。
そうした考えはすでに選手たちに浸透している。床田は「それはうれしいことです。今年は疲れてからが自分の中で大事な登板になると思っていた」と〝有給不要〟の精神で、シーズン完走にこだわりを見せている。
常に前向きな発言で選手をやる気にさせるのが新井流。起用法も選手の意欲を大いに買うスタイルだ。今後も指揮官とナインの以心伝心が続けば、さらなる上積みも期待できそうだ。