用意する資金は青天井! 名門ヤンキースが朗希獲得でドジャースへの“リベンジ”画策

佐々木朗希(中央)/(C)共同通信社

名門が形なしである。

ヤンキースは日本時間9日、ドジャース・大谷翔平(29)に適時打を浴びるなど2連敗を喫し、カード負け越しが決まった。

ヤンキースはこのカードの前まで、いずれもメジャートップの勝率.703、チームOPS.768、321得点。本拠地の連戦シリーズでは、負け越しなしという圧倒的な強さで貯金26を積み上げていた。

それにしても、ドジャースとは相性が悪い。グラウンド外でもそうだ。

昨オフ、ヤンキースはオリックスからポスティングで米大リーグ移籍を目指していた山本由伸(25)の獲得に乗り出した。さる米球界関係者がこう言う。

「投手では史上最高の12年3億2500万ドル(約510億3000万円)でドジャース入りした山本を巡り、ヤンキースも最後まで争奪戦に参加した。昨年9月にはキャッシュマンGM(56)が自ら来日。山本が2度目のノーヒットノーランを達成した9月9日のロッテ戦も、ネット裏最前列で目撃するなどゾッコンだった。12月上旬にはロサンゼルス・ビバリーヒルズの高級レストランで山本と初交渉。その後、今度はニューヨーク・マンハッタンの高級ホテルのスイートルームで山本との2度目の交渉の席に着いた。交渉の場にヤンキースタジアムを選ばなかったのは、交通渋滞を恐れたから。名門球団がそこまで配慮したのに、蹴られたヤンキースは赤っ恥でした」

もうひとり、昨オフFAの目玉だった大谷とも因縁がある。

「ヤンキースは2017年オフに大谷がポスティング移籍を目指した際に獲得に乗り出し、2次面談の前にフラれています。投打ともに最大級の評価をしていたものの、エンゼルスに取られ、今回もまた宿敵ドジャースに加入してしまいましたから」(前出の関係者)

そんなヤンキースが今、ドジャースにひと泡吹かせようと企んでいることがある。

早ければ今オフにもポスティングでメジャー挑戦するといわれるロッテの佐々木朗希(22)の獲得だ。

上半身の疲労回復遅れで戦列を離れていた佐々木は8日、15日ぶりにマツダスタジアムで行われた広島戦に登板。6回を3安打1失点、毎回の9奪三振で5勝目(2敗)をマークした投球を、ドジャースやヤンキースなど大リーグ5球団のスカウトが視察。「ドジャース入りで鉄板」とメジャー関係者がクチをそろえる中、ヤンキースは虎視眈々と佐々木を狙っているというのだ。

「尻に火がついているキャッシュマンGMが、佐々木獲得に目の色を変えています」と、特派員のひとりがこう言った。

「毎年、湯水のごとく補強に大金を使いながら、昨年は東地区4位でプレーオフ進出を逃した。松井秀喜がMVPを獲得した2009年以来、ワールドシリーズ制覇からも遠ざかっています。11年連続プレーオフ進出のドジャースとは実績でも観客動員数でも大きく水をあけられたうえ、欲しかった選手まで根こそぎ奪われている。『メジャーナンバーワンの老舗人気球団』の代名詞は、いまやドジャースに取って代わられつつありますからね。スタインブレナー・オーナーの強力な後ろ盾があって22年暮れに、23年から26年までの契約延長を勝ち取りましたが、ニューヨークメディアは、ドジャースにやられっ放しのキャッシュマンGMのクビは、いつ飛んでも不思議ではないとみています」

ア・リーグのスカウトによれば、「昨年の暮れ、山本をドジャースに奪われたことは、キャッシュマンGMにとって屈辱だった。山本とニューヨークで面談した後、ドジャースの山本に対する契約金総額が100億円アップしたとか。ヤンキースは条件引き上げのダシに使われた格好だけに、キャッシュマンGMのはらわたは煮えくり返っています。佐々木を獲得すれば、今度こそドジャースに煮え湯を飲ませることができますからね。そのための資金は青天井ともいわれている」そうだ。

かくしてヤンキースが、佐々木のドジャース入りに待ったをかけるというのだ。

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渦中にいる佐々木朗希は昨オフ“母親と一緒に”球団サイドと泥沼交渉劇を繰り広げたのは記憶に新しい。ことの顛末は、関連記事【ママと一緒に泥沼劇場】…で詳しく報じている。

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